ダニー・ゴールドバーグ(Danny Goldberg)

拠点:オーストラリア・シドニー
職業:未公開株・不動産投資
収集分野:欧米の現代アート

オーストラリアの投資家、ダニー・ゴールドバーグは、自分のアートコレクションに不満があるようだ。その不満とは、コレクションが膨大すぎて、自宅でもオフィスでも、もう飾るスペースが残っていないことだという。オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙が伝えるところによると、所有する作品で飾ることができるのは全体の約27%で、残る73%のうち2割は、たいていどこかの美術館に貸し出されている。ゴールドバーグは同紙にこう語っている。「お金をかけた美術品が倉庫に眠っているのでは意味がない。見てもらえないのなら、他のことにお金をかけるしかなくなる」

2017年、ゴールドバーグは英デイリー・テレグラフ紙の取材に対し、アートを集め始めたのは10代の頃で、時々バイトをしては作品を買ったと語っている。その近現代アートコレクションは、特にアメリカの新進アーティストに重点が置かれていることでオーストラリアでも注目され、2016年には巡回グループ展 「Stars + Stripes:ゴールドバーグコレクションから見た21世紀のアメリカンアート」が行われた。オーストラリア各地の美術館やギャラリーを巡回したこの展覧会では、スターリング・ルビー、ダヴィナ・セモ、リチャード・アルドリッチといったアーティストが紹介されている。

とはいえ、収集対象はアメリカ人アーティストだけではない。彼は、ターナー賞受賞者7人の作品を所有していることを得意げに披露したことがある。その7人とは、ヴォルフガング・ティルマンス、マーティン・ボイス、ヘレン・マーティン、アントニー・ゴームリー、アニッシュ・カプーア、マーク・レッキー、レイチェル・ホワイトリードだ。ゴールドバーグの膨大なコレクションはさらに増え続けているが、アートを買うのは将来の価値のためではなく、純粋に好きだからだとシドニー・モーニング・ヘラルド紙の取材に答えている