ジム・キャリーのアートな邸宅を仮想訪問! 売却に出された約38億円の邸宅とは?
世界的なコメディ俳優で、アーティストとしても知られるジム・キャリー。彼が30年間暮らしてきたロサンゼルスの豪邸が、2890万ドル(約38億円)で売りに出されている。

ジム・キャリーの邸宅は、ロサンゼルスのブレントウッド地区にあり、広さは約8000平方メートル、レンガ造りの立派な門に守られている。キャリーはハリウッドの喧騒から逃れたいとき、手入れの行き届いた全長90メートルもの背の高い生垣に囲まれたこの家にこもっていた。彼がここに作り上げたプライベートな楽園は、静かで牧歌的でありながら、遊び心を発揮して制作に没頭できる場であり、エキセントリックな(そして高価な)インテリアを楽しむ場でもあった。
2890万ドル(約38億円)の邸宅は「大部分が平屋建てのランチハウス(*1)」で、約1200平方メートルの居住スペースに、5つのベッドルームと6つのバスルーム、さらに3つのパウダールームを備えた「唯一無二の魅惑の聖域」だと、不動産売買の資料はアピールしている。
*1 屋根の傾斜が緩やかで窓の多い平屋建築。アメリカ西部の牧場主の住居をイメージしたもの。
磨き上げられたレンガと堅木張りの床、勾配と梁のある天井、いくつもの暖炉が備えられた開放感のある室内には、ミクストメディアのアート作品の数々が飾られている。世界的な名声や高額のギャラを得ている俳優であると同時に、画家・彫刻家としても活動するキャリー自身の作品も少なくない。
玄関ホールの両側にはフォーマルなリビングルームとダイニングルームがあり、どちらの部屋にも天窓から自然光が降り注ぐ。広々とした書斎やジム、屋内バーベキューができる本格的なキッチン、庭を見渡す八角形のブレックファストルーム。ファミリールームは、黒檀のグランドピアノがおもちゃに見えるほど巨大だ。さらに、ゲストのための広々としたスイートルームが複数あり、中でも豪華なプライマリースイートには、屋根付きバルコニー、暖炉、巨大な銅製暖炉のあるアーツ&クラフツ様式(*2)のバスルームが備えられている。
*2 19世紀後半に英国のウィリアム・モリスが中心になって起こした美術工芸運動。手仕事の美しさを取り戻し、芸術と技術を統合しようするもの。
キャリーらしい豪勢な趣味が存分に発揮されているのが、往年の大型映画館へのオマージュを反映したアールデコ調の上映室だ。高級なモヘアの織物が張られたラウンジでは、ガラスケースにキャリーが着た映画の衣装が展示され、ビーダーマイヤー様式(*3)のスナックコーナーには輝かしいキャリアを物語るトロフィーなどが並んでいる。上映室にある黒大理石と鏡のバスルームは、コミカルなくらい退廃的な雰囲気だ。
*3 19世紀前半のドイツとオーストリアを中心とした家具、装飾、美術などの様式。当時の市民文化を反映し、実用性や機能性に重点を置いたものとされる。
くねくねと広がる庭には芝生が敷き詰められ、大きなパティオ、美しくそびえたつ木々に彩られている。さらに、南北方向に長軸を合わせた照明付きのテニスコート(*4)、西洋風あずま屋、岩に囲まれたプールとスパに流れ落ちる滝、バーと暖炉を備えたプールハウス、赤外線サウナやスチームサウナがある。さらに、庭の奥まった場所には、新鮮な有機野菜を栽培する菜園や瞑想用のパビリオンもある。
*4 テニスコートは、プレーヤーが太陽光線を真正面に受けると不利になるため、コートの長軸を南北方向に取るのが良いとされている。
『ジム・キャリーはMr.ダマー』、『エース・ベンチュラ』、『マスク』などで主演を務めた人気俳優の邸宅が売りに出されるというニュースを最初に伝えたのは、ウォールストリート・ジャーナル紙だ。キャリーは同紙への声明で、邸宅は「魅惑とインスピレーションの場」だったが、そこで時間を過ごすことが少なくなったので、「他の誰かに私のように楽しんでもらいたい」と考えて売却を決めたと述べている。
この物件の売買は、Sotheby's International Realty, Santa Monica / Venice Brokerageのジャネル・フリードマンが管理している。(翻訳:清水玲奈)

















