19世紀のアーツ・アンド・クラフツ運動、イスラムやアジアの建築、カタルーニャの伝統様式などを幅広く取り入れた華やか且つ変幻自在な建築で、20世紀初頭に名を馳せたアントニ・ガウディ(1852-1926)。6月13日から東京国立近代美術館で開催される「ガウディとサグラダ・ファミリア展」に合わせて、稀代の巨匠の人生と創作を振り返ろう。

カサ・ビセンス|1883年から85年にかけて建設されたカサ・ビセンスは、ガウディが初めて手がけた住宅だ。金融業に携わっていたマヌエル・ビセンス・イ・モンタネールの依頼で、ビセンス家の夏の別荘として建てられた。バルセロナのグラシア地区、カルリネス通りにあるカサ・ビセンスは、鮮やかな赤のアクセントや目を引く市松模様のタイル、屋根の上に伸びる小さな塔が特徴的だ。【続きを読む】 Photo: Lucas Vallecillos / VWPics via AP Images

サグラダ・ファミリア|ガウディの最も有名なプロジェクト、サグラダ・ファミリアの建設は、建築家フランシスコ・デ・パウラ・デル・ビジャールの指揮の下で始まったが、1883年にガウディが引き継ぐことになった。ビジャールによるネオ・ゴシック様式の設計案は、材料の調達や建設に資金がかかりすぎるという理由からガウディの型破りなデザインへと変更されている。【続きを読む】Photo: Europa Press via AP

グエル公園|ガウディが手がけた有名な建築物の多くは、20世紀初頭に建てられている。この時代のプロジェクトには、1900年から1914年にかけて作られ、彫刻や建物、庭園で構成される広大なグエル公園、住宅として建てられ骸骨のようなモチーフがファサードを彩るカサ・バトリョ、ガウディが最後に設計した波打つようなデザインの集合住宅カサ・ミラ(別名ラ・ペドレラ:石切場の意)などがある。なお、カサ・ミラには現在も人が住んでいる。【続きを読む】Photo: Hal Beral / VWPics via AP Images


