ホームセンター建設のため約7000年前の遺跡を破壊? 「考古学的価値は低い」と判断
フランス北西部ブルターニュ地方、カルナックの畑にあった先史時代の石の遺構が、ホームセンター建設のために壊されたと、フランスのニュースチャンネル、フランス24が6月7日に報じた。
破壊された39個の石は高さが2~4フィート(約60センチ~1メートル20センチ)ほどで、約7000年前のものと考えられている。
石のあった場所は、約3000個の巨石からなる先史時代の有名な遺構(メンヒル)、カルナック列石から近かったが、保護されていなかった。2022年8月、ホームセンターチェーンのミスター・ブリコラージュが、新店舗をオープンするため、この土地を取得している。
カルナックの考古学者クリスチャン・オベルツは、「遺跡は破壊されてしまった」と、AFP通信に語った。一方で、カルナックのオリビエ・レピック市長は、法律で定められた着工前の検査は行ったとし、「これらの石は考古学的価値が低い」と話している。
カルナックの文化遺産を保護するブルターニュ地方文化局(Drac)も、今週初めに声明を発表し、「調査をしたが、はっきりとした結果が得られませんでした。今回破壊された遺物は、考古学的に重要ではないと判断しています」と述べている。
考古学者のオベルツはこれらの見解に同意していない。地元当局が、今回破壊された石群を適切に調査しておらず、また、遺跡であることをはっきりと否定していないと主張する。彼はAFP通信の取材に対して、「石群が遺跡であるかどうかの発掘調査は行われませんでした」と語っている。(翻訳:編集部)
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