今週末に見たいアートイベントTOP5:真鍋大度らが挑む木工とAIの融合、東京の16作家が示す新たな視点
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

1. T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2026(八重洲・日本橋・京橋・銀座エリアほか)
「と」を起点に、写真で巡る東京
八重洲・日本橋・京橋・銀座エリアを舞台に展開する写真フェスティバル「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」。2026年は「と」をテーマに掲げ、「自分と他者」「自然と都市」など、異なるもののあいだにある関係性に目を向ける。二つのものを分けるだけでなく、それらを繋ぐ言葉でもある「と」に着目し、写真における撮る側と写る側、作品と見る側といった関係にも視点を広げる。
TOFROM YAESU TOWERではメイン展示ザネレ・ムホリ「ものが王冠になるとき」のほか、写真フェア「T3 PHOTO ASIA」(10月17~19日)やブックフェア「T3 BOOK MARCHE」(17・18日)、国内外のキュレーターらが写真とアジアの現在について語る「T3 Talk Program」などを実施。TODA BUILDINGではアントニー・ケアンズ&ピータン「STUDIO+ 拡張する現代写真 #2」、東京ミッドタウン八重洲ではルーカス・フォグリア「コンスタント・ブルーム」などが開催されている。
T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2026
会期:10月3日(土)〜10月26日(月)
場所:東京八重洲・日本橋・京橋・銀座エリアほか
時間:会場により異なる
休館日:会場により異なる
2. 「座標──TOKYO ATLAS関連企画:東京都による支援作家たちの現在地」(WHAT MUSEUM)
東京で創作する作家たちの「現在地」をたどる
東京都がこれまで支援してきたアーティストやキュレーターを紹介する、国際美術展「TOKYO ATLAS」の関連展。会場の1階では、「積層する夢、浮遊する風景」をテーマに、品川周辺の歴史や埋め立て地という土地の特徴を手がかりに新たな風景を描き出す。青柳菜摘+細井美裕は、近隣の埋め立て地などをリサーチし、土木工学の知見を生かして2本の道を制作。観客が歩いて道を踏み固める行為を通じて、自分たちが今立っている場所について考えるきっかけを生み出す。このほか、陳郁文(セラ・ユウェン・チェン)、何梓羽(カ・シウ)、西村涼、佐藤浩一+梅沢英樹、山縣瑠衣が出品する。
2階の展示は「窓から覗く幽霊、手のひらの双子座の神様」と題し、作家それぞれの身体感覚から生まれる平面作品や立体、パフォーマンスなどを通して、現代美術の現在地を提示する。大原崇嘉の《Suspensions》(2026)は、静止した石をビデオカメラで撮影し、その映像を振り子のように揺れるモニターに映し出す作品だ。動かない石と揺れる画面の関係が観客の感覚を揺さぶり、「見る」という行為に伴う身体の状態へと意識を向けさせる。ほか出品者は、ちぇんしげ、小林椋、播磨みどりら10人。
「座標──TOKYO ATLAS関連企画:東京都による支援作家たちの現在地」
会期:10月10日(土)〜12月20日(日)
場所:WHAT MUSEUM(東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号)
時間:10:00〜17:00(入場は30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜。11月23日を除く)
3. 藤岡亜弥「Forget Me Not」(BUG)
9年前の一通のメッセージから始まった、記憶をたどる写真
写真家の藤岡亜弥(1972年生まれ)は、個人的な記憶や場所を起点に作品を制作してきた。2007年から文化庁の新進芸術家海外研修制度で約5年間ニューヨークに滞在し、2013年からは広島を拠点に活動。祖母のブラジル移民としての経験を追った「Saudade」や、ニューヨーク滞在中の5年間をもとにした「Life Studies」などを発表してきた。木村伊兵衛写真賞を受賞するなど、国内外で評価を得ている。
本展では、BUGのコミッションによる新シリーズ「Forget Me Not」を初公開。9年前、オーストラリア・メルボルンに住む女性から届いた一通のメッセージをきっかけに、藤岡の故郷である広島県呉市とオーストラリアを結びながら、戦後から現在にまたがってある人物をめぐる調査と撮影を続けてきた。新たな発見によって情報が重なっていく過程を、写真を通してたどっていく。
藤岡亜弥「Forget Me Not」
会期:10月14日(水)〜11月29日(日)
場所:BUG(東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー1F)
時間:11:00〜19:00
休館日:火曜
4. 「Machines of Loving Grace」(KARIMOKU RESEARCH CENTER)

木工とAIの協働から生まれる、新たなインスタレーション
メディアアーティストの真鍋大度とデザインエンジニアの神山友輔が、カリモク家具の木工技術とAIを組み合わせた新作インスタレーションを発表する。Anthropicの共同創業者兼CEOダリオ・アモデイが2024年に発表したエッセイをタイトルの起源に、本展はAIを人間の営みに関わるパートナーとして捉える考えを、木工という具体的なものづくりの現場に置き換えて検討する。
真鍋大度の《Timber / Timbre》は、家具と楽器の関係に着目した作品で、木製筐体にモジュラーシンセサイザーを組み込み、その構成をAI「Claude」とともに探索。植物の生体電位や会場環境の変化も音に取り込む。一方、神山友輔の《Dance as Waves》では、木製の3つの構造体が光をともしたアームを動かすキネティック・インスタレーションが展開される。2階では、作品の制作プロセスとカリモク家具の技術アーカイブも紹介。
「Machines of Loving Grace」
会期:10月17日(土)〜10月25日(日)
場所:KARIMOKU RESEARCH CENTER(東京都港区西麻布2-24-2)
時間:13:00〜18:00
休館日:なし
5. 大友良英+YCAM 新作展「即興!」(山口情報芸術センター[YCAM])
音楽と空間から考える、「即興」の可能性
大友良英(1959年生まれ)は、即興演奏を軸に、ノイズ音楽や映画音楽など幅広い領域での活動で知られる。サンプリングやフィードバックなどを取り入れた音楽表現に加え、さまざまなアーティストや地域との協働によるプロジェクトにも取り組んできた。本展では、大友の創作における「即興」を軸に、YCAMと複数のアーティストとの共同制作による新作を発表する。
持田敦子との《Dance》では、解体された木造住宅の柱や梁を組み上げた構造体と、多数のスピーカーや家電から放たれる音を組み合わせる。また、坂本龍一へのトリビュート作品《Duo》では、ギターとピアノを物理的な仕組みによって鳴らし、2人の即興演奏を生成する。ほかにも大友+青山泰知+伊藤隆之による《without records》などを通して、音楽と空間、複数の作り手の協働から生まれる「即興」のあり方を紹介する。
大友良英+YCAM 新作展「即興!」
会期:10月17日(土)〜2027年3月1日(月)
場所:山口情報芸術センター[YCAM](山口県山口市中園町7-7)
時間:10:00〜19:00
休館日:火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日)



























