『シャイニング』の斧や姉妹のドレスが競売へ。キューブリックの個人アーカイブから数百点が初出品

スタンリー・キューブリックの個人アーカイブから数百点が、2027年2月に初めて競売にかけられる。『シャイニング』の斧や双子姉妹のドレス、最高約1億6700万円と見積もられた『2001年宇宙の旅』の「スター・チャイルド」など、映画史に残る品々が揃う。

映画『シャイニング』に登場するグレイディ姉妹の衣装。Photo: Courtesy of Bonhams

映画界に大きな影響を与えたスタンリー・キューブリック(1928–1999)の個人アーカイブから、数百点の品々が2027年2月、初めてオークションに出品される。ガーディアンが報じた。

スタンリー・キューブリック・フィルム・アーカイブから直接出品されるのは、撮影用小道具、書き込み入りの脚本、制作資料、賞のトロフィー、撮影機材、私物など。代表作の制作過程と、監督自身の人物像を伝える貴重な品々が揃う。

中でも注目されるのは、1980年のホラー映画『シャイニング』で使用された斧だ。同作では、ジャック・ニコルソン演じるジャック・トランスが、妻ウェンディが逃げ込んだ浴室のドアを斧でたたき破り、「ジョニーのお出ましだ!」と叫ぶ場面が強烈な印象を残す。このせりふは、当時のアメリカの人気テレビ番組『ザ・トゥナイト・ショー』で、司会者ジョニー・カーソンの登場を告げる決まり文句を引用したものだ。今回出品される斧は、同じくジャックが斧を振るう別の場面──スキャットマン・クローザース演じるディック・ハロランの殺害場面で使われた特殊効果用のもので、予想落札価格は3万〜5万ポンド(約630万〜1050万円)。

映画『シャイニング』(1980)の一場面。Photo: by Warner Bros./Archive Photos/Getty Images
映画『シャイニング』で使用された斧。Photo: Courtesy of Bonhams

同作からは、グレイディ姉妹が着用した水色のドレス2着も出品される。姉妹がこの衣装で登場するのは、トランスの息子ダニーがオーバールック・ホテルの廊下を三輪車で走っていると、「遊びましょう」と誘いかける印象的な場面だ。予想落札価格は4万〜6万ポンド(約836万〜1254万円)。

最高額での落札が見込まれるのは、『2001年宇宙の旅』(1968)の最後の場面に登場する、宇宙に浮かぶ胎児の模型「スター・チャイルド(Star Child)」だ。予想落札価格は60万〜80万ポンド(約1億2540万〜1億6720万円)に上る。

このほか、キューブリックの監督用の椅子(予想落札価格8000〜1万2000ポンド/約167万〜251万円)や、『シャイニング』の撮影で使われたカチンコ(同1万〜1万5000ポンド/約209万〜314万円)も登場する。『ロリータ』(1962)の書き込みがびっしり入った脚本(同4万〜6万ポンド/約836万〜1254万円)、キューブリックが所有していたチェスセット(同2000〜4000ポンド/約42万〜84万円)など、創作の足跡から私生活までを伝える品々が並ぶ。

オークションは2027年2月3日、ロンドンのボナムズ(Bonhams)で開催される。それに先立ち、出品物の一部は2026年10月16〜23日にニューヨーク、11月2〜6日にロサンゼルス、11月16〜17日、21日、23〜24日にパリで展示される。その後、2027年1月18日〜2月2日には、ロンドンで全出品物が無料公開される予定だ。

ボナムズのポピュラーカルチャー部門責任者、クレア・トール=モアは、今回のオークションについてガーディアンに次のように語った。

「これまでにも、ほかの監督のコレクションが競売にかけられたことはあります。しかし、スタンリー・キューブリックのアーカイブは、資料の豊富さや質の高さ、そこに反映された知的探究といった点で際立っています。その価値は、貴重な品々だけにとどまりません。何十年にもわたる研究や調査の蓄積、それらを記録し意識的に保存してきた取り組みにもあります。これほど充実したコレクションも、これほど多くの人にインスピレーションを与えた監督も、ほかにはなかなか思い浮かびません」

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