屋根裏のポケモンカードが総額3億円超に──子どもの趣味をきっかけに収集、専門家も驚くコレクション

引退した内装職人が屋根裏で15年間保管していたポケモンカードがオークションに出品され、総額156万ポンド(約3億2700万円)で落札された。トレーディングカードの競売総額としてはイギリス史上最高額。

10月21日、ユーバンクスで競売にかけられたポケモンカード。Photo: Courtesy Ewbank's

引退した内装職人の男性が、屋根裏で15年間保管していたポケモンカードのコレクションを競売に出し、落札総額が156万ポンド(約3億2700万円)に達した。BBCが伝えた。

出品者は、イギリス・サリー州ウォキングに住む、匿名を希望する男性。収集のきっかけは、1990年代後半、当時幼かった息子がカードを集め、学校で交換するようになったことだった。男性は「見た目がいいなと思って、投資にもなるのではないかと考えたんです」と振り返る。

男性は、イーベイ(eBay)で見つけたマレーシアの販売者からコンプリートセットを購入するなどして、コレクションを増やしていった。最初に購入した「Sky Ridge Charizard」のセットは、約300ポンド(現在の為替で約6万3000円、以下同)だったという。カードは全て専用のバインダーに丁寧に収め、息子がポケモンカードへの興味を失った後は、屋根裏で保管していた。

転機となったのは、地元紙のある記事だった。地元の競売会社ユーバンクス(Ewbank's)でポケモンカード1枚が6000ポンド超(約126万円)で落札されたと知り、自分のコレクションを確認。同じ種類のカードを複数持っていることが分かり、その一部を同社に持ち込んで査定を依頼した。

ユーバンクスのトレーディングカード部門責任者、ジェームズ・スプーナーは、そのときの驚きをこう振り返る。

「持ち込まれたカードは、全てミントコンディション(新品同様の保存状態)でした。これほどのものを持っていることにも、ご本人がその価値を全く知らなかったことにも驚きました。さらに、同じようなセットを42組も持っていると分かったときには、あぜんとしました」

10月21日、ユーバンクスで競売にかけられたポケモンカード。Photo: Courtesy Ewbank's

男性は、そのうち1セットを手元に残し、41セットを出品。10月21日、ユーバンクスで「Pokémon: A Decade of Masters (1999–2009)」と題した競売が開催され、世界中から入札が相次いだ。自ら競売の進行を務めた同社代表のアンドリュー・ユーバンクは、会場の様子を次のように語る。

「会場の熱気はすさまじかったです。とりわけコレクターたちは、このコレクションの素晴らしさに驚いていました。膨大な規模で、手つかずのまま保管され、セットがそろい、望み得るほぼあらゆるレアカードが含まれていたのです」

最高額を記録したのは、「Legendary Collection Complete Master Set」。ほぼ新品の状態のリザードンを含め、通常版や加工違いのカードなどを網羅したセットで、予想落札価格の1万5000〜2万ポンド(約315万〜420万円)を大きく上回る10万ポンド(約2100万円 )で落札された。また、男性が約300ポンド(約6万3000円)で購入したセットの1つには、7万5000ポンド(約1575万円)の値が付いた。いずれも手数料を除く落札額だ。

手数料を除く落札総額は120万ポンド(約2億5200万円)で、手数料込みでは冒頭の156万ポンド(約3億2700万円)に達した。同社によれば、トレーディングカードの競売総額として英国史上最高額で、欧州記録となる可能性もあるという。ユーバンクスにとっても、30年以上の歴史で過去最高の売り上げを記録する競売となった。

ユーバンクはBBCの取材に対し、家庭に眠る品物の可能性について、次のように話している。

「今回のように、息子のために何かを買っても本人が欲しがらなかったら、ひとまずしまっておくといいかもしれません。将来どんな価値がつくか、分かりませんから」

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