菊地成孔が「常設展」に捧げるプレイリスト【Vol. 5】:江戸東京博物館──現代音楽と見る東京の過去現在

音楽家・文筆家の菊地成孔が、美術館の「常設展」鑑賞にふさわしいプレイリストを作成する連載第5回。舞台は、今春リニューアルした江戸東京博物館。東京の歴史と聴く音楽は?

Photo: Koki Takezawa

はじめに:連載のトリセツ

この連載は「ミュージアムの常設展を鑑賞する、その際に筆者がセレクトした音楽をプレイリストにする」というもので、閲覧者の皆様に於いては、プレイリストの使用方法は無限に近くあるであろう。

一番ストレイトかつドラスティックなものは、実際にその施設まで足を運び、イヤーフォンもしくはヘッドフォンを装着し(どれほど優れた常設展を有していようと、イヤーフォン/ヘッドフォンの装着鑑賞が禁じられている美術館は連載のリストからは除外される)、プレイリストを聴きながら、その常設展を鑑賞する。というものになろうが、現在、本邦の美術館の大半は、公式ウェブサイトに展示作品の写真と解説が掲載されているので、自室に於いて擬似的な経験も出来る。

また、プレイリストは独立して聴くことも出来る。特に「現場」まで赴いて追体験を実行された方による、あらゆる御感想は歓迎し、連載に反映させて頂く次第である。

江戸東京博物館のためのプレイリスト

第5回となった。「江戸東京博物館」は、江戸~東京の歴史と文化を振り返り、未来の東京を考える場として開館した。「博物館」の名の通り、美術・工芸・資料等々のスタティックな展示に加え、巨大なジオラマやミニチュア再現された建造物、映画のセットのような、観覧者が実際に体験できるスペースなど、筆者の事前予想を遥かに超えたスペキュタクラーと緻密さを備えていた。1993年に開館し、今年の3月31日に改装オープン。21世紀を存分に見据えた「令和の博物館」だ。

常設展は5&6階で、6階から入場して5階に降りる動線だが、アルファベットと数字で区分されており、プレイリストはE1「江戸ゾーン」の「時を超える橋」からスタートする。

江戸東京博物館PLAYLIST

6階 E1
1.心中天網島 2:28
2.Tôru Takemitsu - Double Suicide (1969) 武満徹 - 心中天網島 0:28
3.Morton Feldman - For Philip Guston 4:08:22
4.Jorge Luis Borges 5:32
5.Debussy - Passepied 4:05
6.Morton Feldman: FOR BUNITA MARCUS / Satoko Inoue 5:30
7.Rhythm And Movement In Art (1969) 19:24
エスカレーター降りる E2
8.Postizo 7:12
9.Bounce ball (1969) 3:54
10.Las Lomas De New Jersey 4:36
E3~10
11.Takashi Yoshimatsu: Sinfonia in Birds ‘To the birds of youth’, Op. 107 17:54
12.Takashi Yoshimatsu: Concerto for piano & orchestra ‘Memo Flora’, Op. 67 32:18
東京ゾーン T1
13.Pixel 4:12
T2~6
14.Duke Ellington - 02 Bluebird of Delhi (Mynah) 3:20
15.Duke Ellington: The Far East Suite 5:10
T7~8
16.Blauer Himmel (Version 1967) 3:29
T9
17.Russ Gabriel - Mutations 6:51
T10
18.Missing Channel - Deadly Spell 5:14

E1日本橋
E1幕末の江戸城
E2棟割り長屋
E3江戸の表通り
E4江戸の屋台(寿司と天ぷら)
E5村島経済圏
E6両国橋西詰 両国橋
E9助六の舞台
E10中村座
T1服部時計店
T4浅草花屋敷の門
T4凌雲閣
T6同潤会アパート
T7戦時下のすまい
T9ひばりが丘団地
T10変化を続ける東京(90年代)

東京都江戸東京博物館
住所:東京都墨田区横網1-4-1
時間:9:30~17:30(入館は閉館30分前まで、土曜日19:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合翌日)、年末年始
常設展料金:一般800円、大学生480円、高校生300円、65歳以上400円、中学生以下無料

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