5500年前の「巨人の墓」、ポーランドで見つかる。航空レーザーなど最新技術で発掘に成功

5500年前の新石器時代に築かれた巨石墓2基が、ポーランドのデジデリ・フラポフスキ景観公園で発見された。過去には有力者の遺骨が見つかった例もあり、今後の副葬品の出土にも期待が集まる。

遺跡を調査する考古学者。Photo: Courtesy of the Complex of Landscape Parks of the Wielkopolska Voivodeship.
遺跡を調査する考古学者。Photo: Courtesy of the Complex of Landscape Parks of the Wielkopolska Voivodeship.

ポーランド中西部に位置するデジデリ・フラポフスキ景観公園で、5500年前に建造された巨石墓2基が発見された。

これらの墳墓は先史時代のポーランドで建造された最大級の埋葬構造物と考えられており、細長い三角形の形状と巨大な石材が使われていることから、「ポーランドのピラミッド」「巨人の墓」「クヤヴィ地方の古墳」などと呼ばれている。クヤヴィ地方とは、ポーランド中北部に位置する地域で、この種の古代構造物が初めて確認された場所でもある。

発見したのはアダム・ミツキェヴィチ大学の研究者たち。彼らは、ヴィスコチの村において航空レーザー測量を含む最新の遠隔観測技術を用いて、新石器時代の2つの土木構造物の位置を特定し、そのうちのひとつを発掘したという。

技術誌の『Popular Mechanics』によれば、これらの巨大な墳墓は台形状の土製墳丘を特徴とし、中央ヨーロッパ北部に現れた半農業民による漏斗状ビーカー文化期に建造されたという。なかには幅がおよそ200メートルに及ぶ墓もあった。なお、過去に発見された同様の墳墓では、コミュニティーの有力者が埋葬されており、1体の遺体が直立した姿勢で安置され、副葬品に囲まれていた。今回発見された2つの墓からは人骨は見つかっていないが、考古学者たちは副葬品が近くに埋まっている可能性があると期待を寄せている。

専門家のアルトゥル・ゴリスはポーランド通信に対し、「石斧や手斧、土器、時代特有の粘土製容器などが埋まっているかもしれません」と語った

デジデリ・フラポフスキ景観公園では、2019年に同様のピラミッド状構造物が初めて発見されており、今回の調査はそれに続く成果となった。これらの構造物は重さ10トンの石材で作られており、高さは4メートル、幅は200メートルに及ぶ。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい