衣服を通じて生の美を見つめた30年──高木由利子「Threads of Beauty」展がBunkamuraで開催
伝統的な衣服をまとい生きる人々の日常を30年間記録し続けた写真家・高木由利子の集大成が、3月10日にBunkamura ザ・ミュージアムで開幕する。会期中は高木の新刊写真集をはじめ、高木とファッションブランド「amachi.」とのコラボグッズなども販売される

「ファッションとは何か」という問いを根底に、世界各地で伝統衣装をまとう人々の日常を30年にわたり撮り続けてきた写真家・高木由利子。その現時点での集大成となる写真展「Threads of Beauty 1995-2025 ― 時をまとい、風をまとう。」が、渋谷ファッションウィークとBunkamuraの共催により3月10日〜29日まで開催される。
会場となるBunkamura ザ・ミュージアムは、「Shibuya Upper West Project」(2029年度竣工予定)における新施設への拡大移転を控えおり、本展が、1989年の開館以来約40年にわたりアートとの出会いを紡いできた同空間における最後の展覧会となる。
東京生まれの高木は、武蔵野美術大学でグラフィックデザインを、イギリスのトレント・ポリテクニック(現ノッティンガム・トレント大学)でファッションデザインを学んだのち、写真家へ転身。COMME des GARÇONSやジョルジョ・アルマーニによるモード作品を収めた写真集「IN AND OUT OF MODE」(1994)や、ISSEY MIYAKEの「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE – Travel through the Planet」(2012)のためのアーカイブ撮影などを手がけてきた。なかでも、クリスチャン・ディオールのアーカイブピースを独自の視点で捉えた作品群は、写真と衣服の関係性を問い直す試みとして注目された。
なかでも「Threads of Beauty」は、これまでアジア、アフリカ、南米など13カ国をめぐり撮影を続けてきた、高木の活動の底流をなしてきた長期プロジェクトだ。伝統服を民俗史的な記録としてではなく、それを纏う人々を含めた「格好良さ」に魅せられて撮影してきたという高木のまなざしは、アイデンティティと装いの普遍的な結びつきを照らし出す。
会場構成を手がけるのは、建築家の田根剛(ATTA – Atelier Tsuyoshi Tane Architects)。場所の「記憶」を掘り起こし未来へとつなぐ「Archaeology of the Future(未来の考古学)」をコンセプトに、エストニア国立博物館や弘前れんが倉庫美術館などを手がけてきた田根が、本展でも作品の世界観を体感できる空間を構築する。高木との協働は、2023年にKYOTOGRAPHIE 京都国際芸術祭の会場となった京都・二条城での展示に続き、2度目となる。
会期中は、「1冊の本を売る書店」を掲げる森岡書店が展示室内に特別出店。高木の新刊写真集をはじめ、高木とファッションブランド「amachi.」とのコラボレーション商品、梅田版画工房によるリトグラフ作品、漆皮作家・樋上純との協働作品などを展開する。さらに、展覧会に合わせて青幻舎より刊行される写真集の豪華特装版(価格120,000円・税別)も会場限定で販売。30種類のオリジナルプリントを表紙に用いた、世界に1冊だけの仕様となっている。
SHIBUYA FASHION WEEK 2026 Spring x Bunkamura 高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995‐2025 ― 時をまとい、風をまとう。
会期:2026年3月10日(火)~29日(日)
時間:13:00~20:00(最終入場19:30まで)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂 2-24-1 Bunkamura B1F)
入場料:無料