金属探知機が探り当てたローマ騎士の剣から、新たな大発見! 畑から2000年以上前の巨大集落跡が出現
- TEXT BY ARTNEWS JAPAN
2023年、イギリスの金属探知機愛好家が極めて珍しい古代ローマの騎兵の剣を2本発見した。これを機にさらに発掘調査を進めた結果、同じ場所から2000年以上前にさかのぼる巨大な集落の遺跡が発見された。
このほどイギリスのグロスターシャー州で初期の鉄器時代から古代ローマ時代にかけての巨大な集落跡が発見されたとガーディアン紙が伝えた。
きっかけは、2023年に同州のウィラーシー近郊の畑で開催された金属探知機愛好家による探索イベントだった。金属探知機愛好のグレン・マニングが、畑の地表数センチの深さから2本の剣を探り当てたのだ。コッツウォルド考古学研究所の考古学者ピーター・バスビーは、剣の一部は農機具によって欠けており、発掘されなければいずれ破壊されただろうと指摘した。
これらの剣をイギリス文化・メディア・スポーツ省が後援する機関「ヒストリック・イングランド」の科学施設、フォート・カンバーランドで検査したところ、2本はローマ騎士が2世紀初頭から3世紀にかけて馬上で使用した長剣「スパタ」であることがわかった。また、1本には中央に高い地位を示す装飾的なパターン溶接の痕跡があり、もう1本は簡素なデザインだった。研究者はこれらのことから、異なる社会的地位や軍事的階級だった者が剣をそれぞれ所持していたと推測した。
剣が見つかった畑では、ヒストリック・イングランドの資金提供を受けたコッツウォルド考古学研究所による発掘調査が実施された。すると、紀元前11世紀以降にあたる前・中期鉄器時代の巨大な集落跡が現れた。この集落には1世紀から2世紀まで人々が居住していたと考えられ、翼状の部屋や床暖房システムがあった可能性のあるローマ時代の豪華な別荘跡も見つかった。ほかにも、鉄のバンドを右上腕に巻いて埋葬された前・中期鉄器時代の人物の遺骨や、その近くの穴からは馬の頭蓋骨が発見された。
今回の発見について、ヒストリック・イングランドのシニア考古学者、イアン・バーンズは、「激動の時代だったであろう時期について、より多くのことが明らかになりました。今回の発見は、グロスターシャーにおける初期の鉄器時代から古代ローマ時代までの集落パターンの性質について貴重な洞察を提供しています」と話した。
集落の実体を解明するにはさらなる調査が必要だが、ヒストリック・イングランドはこの遺跡を指定記念物として保護し、将来に残すことを検討している。
発見された2本の剣は、発見者のグレン・マニングと土地所有者との協議の上で、サイレンセスターのコリニウム博物館に寄贈された。博物館は8月2日から剣の展示を開始する予定だ。
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