7月2日、ポーランドの有名な大河、ヴィスワ川沿いでパイク釣りをしていたアンドレイ・コルピキエヴィッチが古い剣を釣り上げた。ニューヨーク・ポスト紙が伝えた。
驚いたコルピキエヴィッチはすぐに剣を国立考古学博物館に届けた。ワルシャワの首都記念物保存協会が調査したところ、剣は13世紀か14世紀のもので、刃先から柄の部分まで79センチあった。刃は腐食していたものの、球状の柄、剣の持ち手部分にある防具のクロスガードが残っており、保存協会によると「驚くほどよく保存されていた」という。
注目は、剣と柄の両方に刻まれた十字の印だ。エルサレムポストが報じるところによると、これは制作者の印と考えられるが、12世紀から14世紀にかけて東ヨーロッパ全域で活動していた、中世ヨーロッパのカトリック教会における最強の宗教騎士団、テンプル騎士団との関連についての憶測も呼んでいるという。
首都記念物保存協会の主任専門家であるアンナ・マグダレナ・ワンはこの憶測について、ProTV Newsの取材に対し、「さらに剣を冶金学的検査にかければ、この十字架が作者の印なのか、信心深さによるものなのかを明らかにできます」と語った。
また、ワンは今回の剣は、ワルシャワで見つかった中でも最古のものと断定。修復家のミハウ・クルツコフスキは、多くの考古学者・考古学ファンが長らくヴィスワ川を調査してきたが、このような発見は無く、コルピキエヴィッチのケースは非常に稀なものと称えた。
発見の当日、首都記念物保存協会はSNSに、「大きな魚のはずが、こんな大きな剣が釣れてしまいました! ご覧の通り、ヴィスワ川には本当の宝物が隠されています!」と喜びの投稿をした。
剣は国立考古学博物館の金属保存工房に移送され、今は展示するための保存修復と調査が行われている。関係者によると、この剣は少なくとも1年間は工房に留まり、その後はワルシャワが小公国から王都へと発展する過程を描く展覧会の一部として公開される予定だという。
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