川の掃除中に1000年前の剣が出現! 不屈の強さや忠誠の証「無限の結び目」がはっきり

オランダのユトレヒト州で、コルテ・リンシュオテン川の定期的な浚渫作業(水底に堆積した土砂やごみを掘り起こす作業)中に、11世紀から12世紀のものと思われる長剣が見つかった。保存状態が極めて良好であり、剣に秘められた歴史の解明に期待が集まっている。

オランダ・コルテ・リンシュオテン川で見つかった剣。Photo: Facebook/Cornelis Tromp

2024年3月、オランダ・モンフォールト市を流れるコルテ・リンシュオテン川での定期的な浚渫作業中に、作業員が長さ90センチの剣を発見。研究者たちが調べたところ、西暦1050年から1150年の間のものと判明した。

ラ・ブルフラ・ベルデ紙が報じるところによると、剣は川底の酸素の少ない粘土により腐食から守られたことで保存状態が極めて良好だった。剣の片面には中世ヨーロッパにおける神聖な象徴であり、教会の聖別式でよく用いられた、円を十字で区切った「太陽の輪」が繊細に彫られていた。もう片面には、円の中に5つの正方形が連なったような幾何学模様が描かれていた。研究者たちが「無限の結び目」と呼ぶこの模様はバイキングやゲルマン人たちの文化で人気があり、不屈の強さ、友情、忠誠を表していた。

刃を調査した研究者らは、この剣がいかなる時代においても鞘に覆われていた形跡を認めなかった。そして当時、コルテ・リンシュオテン川流域は開拓の最中で、付近に城や領地も存在していなかった。それを踏まえて彼らは、この武器が供物として、あるいは何らかの儀式の一環として意図的に川に投げ込まれたものと推測している。

この大発見に地元は盛り上がっている。モンフォール市議会の広報官は「これは単なる武器ではありません。大地によってほぼ1000年間保存されたメッセージです」と喜びの声を伝えた。剣は、共同所有者だったモンフォールト市とリンシュオテン荘園財団から近隣のライデンにある国立古代博物館に寄付され、今年の9月まで開催されている新収蔵品展で展示されている。

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