発見から100年、ツタンカーメン王墓「閉塞壁」を初公開──極めて良好な保存状態

ツタンカーメン王の埋葬室入口を封じていた閉塞壁が、発見から100年以上を経て修復・初公開された。これほど良好な状態で残る例は極めて珍しいという。

ルクソール博物館。Photo: Wikimedia commons

エジプト観光・考古省は、1922年にイギリスの考古学者ハワード・カーターが発見したツタンカーメン王墓から出土した閉塞壁をルクソール博物館で初公開した。インディペンデント紙が伝えた。

閉塞壁は埋葬室の入口を封じるためのもので、古代テーベで「ハビヤ(Habiya)」と呼ばれた地元産の漆喰材で作られている。方解石、粘土、砂、植物繊維、石膏を混合した素材で、表面には葬祭儀礼や王の埋葬に関わる行政権威を示す公式印章が刻まれている。

The History Blogによると、発掘時、閉塞壁は大きな塊に砕かれたが、カーターは少なくとも全ての破片を箱に収めて保管したという。しかし破壊前の形状や各部材の位置に関する記録は残されていなかった。さらに、墓から出土した5000点以上もの豪華な副葬品に注目が集まったため、閉塞壁は長年にわたり、保存処理や学術調査が行われないままになっていた。

ルクソール博物館で公開されているツタンカーメン王墓の閉塞壁。Photo: Facebook/Number1News

このほど、エジプトの専門家チームが破片を「パズルのように組み合わせ」、一区画の復元に成功。今回の公開に至った。ルクソール遺物局長のアブデルガッファール・ワグディは、この閉塞壁の希少性について次のように語っている。

「ほぼ全てのファラオの墓は盗掘に遭っていますので、これほど良好な状態で残された閉塞壁は、エジプトにも世界にも存在しません。まさに唯一無二の遺物です。ツタンカーメン王墓の発見から100年以上を経て、ようやく初公開されます」

閉塞壁の公開にあわせ、2015年にナイル川西岸で発見された第18王朝時代にアメン神殿で門番など守衛的な役職を務めていたとされるラブヤと、その息子サムトのものとみられる2基の古代墓も修復され、新たに一般公開された。これらの墓には、日常生活や葬祭儀礼を描いた精緻な場面が残されている。

現在、ツタンカーメンの閉塞壁は各破片の撮影や目録作成に加え、素材や製法の記録作業が進められている。さらに、3Dスキャンによるデジタル復元も進行中だ。

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