いま「アートパフェ」が熱い! 東京近郊で味わう、見た目も味も芸術級な絶品パフェ8選
美術館や博物館を訪れる楽しみは、展示室だけにとどまらない。いま、併設カフェでは趣向を凝らした「アートなパフェ」が熱いのだ。鑑賞の余韻を抱えたまま、甘くて美しい一口に出合いに、東京近郊のアート施設を巡ってみよう。

展示室をあとにして、ミュージアムショップを抜けると出会えるもうひとつのお楽しみ、それが、美術館や博物館に併設されたカフェで楽しむ余韻の時間。それらのカフェメニューの中でも今、熱いのが、趣向を凝らした「アートなパフェ」だ。
各館の所蔵品や企画展に合わせて生まれる一杯は、ただのデザートではない。絵画の色彩を映したフルーツの層や、建築や彫刻をモチーフにした意匠など、グラスの中には展示とは別の“作品”が潜んでいるのだ。
今回は、東京近郊にある8つの美術館・博物館から、見た目の美しさはもちろん、背景に物語を秘めたパフェを厳選。アート鑑賞の余韻に冷んやり甘やかな一口を重ねる、贅沢な時間へ案内する。
フルーツ盛沢山な“印象派”パフェ【三菱一号館美術館】
三菱一号館美術館のカフェ「Café 1894」は、明治期の銀行営業室(復元)を生かしたクラシックな空間。2019年展覧会に合わせた夜パフェ企画を実施し、2024年の再開館以降展覧会ごとにパフェを提供している。この夏は「ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠」展にちなんだ「桃とぶどうのパルフェ」(9月7日まで)が人気。セザンヌの《青い花瓶》をイメージしたパフェは、桃やぶどう、マスカット、バニラアイス、紅茶のジェノワーズを層に重ねた一品だ。スポンジケーキのしっとり感と果実の瑞々しさがほどよく調和し、軽やかで澄んだ甘みが広がる。
三菱一号館美術館 Café 1894
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2 1F
通常営業時間:11:00~23:00(L.O22:00)※日によって営業時間の変更あり。詳しくはこちら
休日:不定休
氷河期に誘うシロクマスイーツ【国立科学博物館】
国立科学博物館で開催中の特別展「氷河期展 ~人類が見た4万年前の世界~」は、マンモスなどの巨大動物と人類が共に生きていた寒冷時代を体感できる(クロマニョン人とネアンデルタール人の日本初公開の実物頭骨も見どころだ)。館内レストラン「ムーセイオン」には、この展覧会に合わせてパフェが登場。シロクマの姿がちょこんとのったグラスには、ココナッツブラマンジェや求肥パール、しっかり酸味の効いたパッションフルーツムース、マンゴーソース、パイン風味の青いゼリーが重なる。見た目はひんやり、味わいは爽やか。口に入れれば、うだる夏から一気に氷河期へタイムスリップだ。
レストラン・ムーセイオン 国立科学博物館店
住所:東京都台東区上野公園7-20 国立科学博物館 地球館 中2階
通常営業時間:10:30〜17:00(L.O16:30)
休業日:博物館に準ずる
ドラえもんお化けがひんやりトロトロうらめしや~【川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム】
『ドラえもん』や『パーマン』で知られる漫画家、藤子・F・不二雄の世界をまるごと楽しめる「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」。原画や資料、キャラクターと撮れるフォトスポットまで揃い、大人も子どもも時間を忘れられる場所だ。3階のミュージアムカフェにこの夏限定(8月25日まで)で登場したのは「うらめしショコラパフェ」。バニラアイスやブラウニー、チョコムースにブルーベリーを重ね、仕上げは別添えのチョコレートソースをとろり。かけた瞬間、グラスの中が闇に包まれユーレイがひょっこり現れそう。ドライレモンの酸味が、甘さの中にちょっとした驚きを残す。
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム ミュージアムカフェ
住所:神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1
通常営業時間:(平日)11:00〜18:00(休日)10:00〜18:00(L.O17:30)
※7/19(土)~9/3(水)は10:00~18:00の営業
※カフェ利用に要入館チケット、入館は事前予約制
休業日:ミュージアムに準ずる
ちょっと大人な進化系パフェ【国立新美術館】
国立新美術館2階、巨大な逆円すいの最上部に広がる「サロン・ド・テ ロンド」。黒川紀章設計のモダンな空間で、空中に浮かぶようなひとときを味わえる。美しい建築を眺めながら夏場に楽しみたいのは、1日10食限定の「ホワイトチョコとイチゴのパフェドリンク」。ホワイトチョコ、ストロベリー、カシスを合わせた冷たいスムージーを、しっかり苦みのきいたコーヒーゼリーに注いだ一品だ。甘みと酸味、そしてほろ苦さが層をなして、真夏の午後を涼やかに彩る。
サロン・ド・テ ロンド
東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館 2F
通常営業時間:11:00~18:00(L.O.17:30)
休業日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日に振替)
ピナリー・サンピタック作品を再現【東京都現代美術館】
東京都現代美術館の地下「100本のスプーン」の名物は、企画展に合わせたパフェ。8月23日からは「開館30周年記念展 日常のコレオ」に合わせ、タイ出身のアーティスト、ピナリー・サンピタックによる出展作品《マットと枕》をモチーフにした一品が登場。仏塔を思わせるミルクジェラートの上には、香ばしいサツマイモのキャラメリゼ。作品に登場する枕をイメージしたパッションフルーツグミとごま塩サブレが遊び心を添え、ハーブのジュレが後味をすっと引き締める。規格外のサツマイモを活用した、実はサステナブルな一品。
100本のスプーン 東京都現代美術館店
住所:東京都江東区三好4−1−1 東京都現代美術館内 B1F
営業時間:10:00~18:00(L.O17:00)
※8月15日~9月26日までの金曜日は11:00~20:00(L.O19:00)
休日:毎週月曜日(月曜日祝日の場合翌日休み)
麩が彩る粋な加賀パフェ【サントリー美術館】
六本木・東京ミッドタウンにあるサントリー美術館は、国宝や重要文化財を含む約3000件を所蔵し、1961年の開館以来、日本美術を中心に多彩な企画展を行ってきた。併設の「カフェ 加賀麩不室屋」は、金沢名産の車麩を用いた「くるま麩のフレンチトースト」をはじめとした不室屋の甘味や軽食が楽しめる、金沢市外では唯一の店。2025年夏のリニューアルで登場した「金沢生麩パフェ」は、しら玉生麩、彩り麩菓子、ふやき最中に、香り高い棒茶ゼリーを組み合わせた麩の魅力が詰まった一品だ。和の香ばしさと多彩な食感が重なり、展示を巡った余韻を静かに深めてくれる。
カフェ 加賀麩不室屋
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン サントリー美術館3Fshop×cafe内
通常営業時間:11:00~18:00(L.O閉店30分前)
※展覧会会期中の金曜日は20:00まで
休業日:展覧会会期中の休館日、展示替え期間中の月・火曜日、年末年始
上野の名店と和コラボ!【東京都美術館】
東京都美術館の開館と同時に扉を開ける「cafe Art」。大きな窓から光が差し込み、外には所蔵彫刻が並ぶ。このカフェの定番メニューは、上野の老舗「あんみつ みはし」とコラボした「小豆あん抹茶パフェ」。北海道産小豆を使ったつぶあんとこしあん、抹茶プリンやアイスを重ね、仕上げにホイップクリームやミントを添えた。こだわりが詰まった二種のあんこが生み出す奥行きある甘みと、抹茶の香りが絶妙に溶け合い、和スイーツ好きにはたまらない。
cafe Art
住所:東京都台東区上野公園8-36 東京都美術館 棟1階内
通常営業時間:9:30~17:30(L.O17:00)
休日:美術館の休館日に準ずる
パフェは爆発だ!【岡本太郎美術館】
生田緑地の自然に囲まれた「岡本太郎美術館」は、川崎出身の芸術家・岡本太郎が遺した1779点を所蔵する美術館。併設の「カフェテリアTARO」は観覧券なしでも利用できる憩いの場だ。ここでしか味わえない名物は、1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」をイメージした「太陽のパルフェ」。シュークリームは「黄金の顔」、あえて暗めの色合いで統一されたベリーとストロベリーソースは「黒い太陽」を表現している。グラスの中にそびえる小さな“塔”をスプーンで崩しながら味わうひとときは、作品鑑賞とはまた違う太郎の世界との出合いに。
カフェテリアTARO
住所:神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5 岡本太郎美術館内
通常営業時間:10:00~17:30(12月~2月は17:00)
休業日:美術館に準ずる