デヴィッド・リンチの邸宅兼制作スタジオが22億円で売り出し中! 数々の名作を生んだ伝説の地

今年1月に死去したデヴィッド・リンチが約40年に渡って居住し数々の名作を生んだ、ロサンゼルスの伝説的な邸宅兼制作スタジオが1500万ドル(約22億円)で売りに出されている。

デヴィッド・リンチ。ロサンゼルスの自宅兼スタジオにて。Photo: Ann Johansson/Corbis via Getty Images

映画監督・アーティストのデヴィッド・リンチ(1946-2025)が今年1月に死去するまで居住し、作品制作を行ったロサンゼルスの邸宅兼スタジオが現在販売されている。

この物件を仲介するZillowによると、リンチは1987年にフランク・ロイド・ライトの息子フランク・ロイド・ライト・ジュニアが1963年に設計したビバリー・ジョンソン邸を取得し、フランク・ロイド・ライトの孫にあたるエリック・ロイド・ライトにプールとプールハウスの設計を依頼した。その後1989年に、隣接するブルータリスト様式の住宅を54万2000ドル(現在の為替で約8000万円)で、1995年には近隣のスタジオを34万6000ドル(同・約5000万円)で買い上げるなど規模を拡大していき、総敷地面積8093平方メートル、7棟からなる豪邸を作り上げた。

10の寝室と11のバスルームを備えた住宅部分には天然木と金属を使ったシンプルなデザインを貫いていおり、『マルホランド・ドライブ』(2001)など数々の名作を生み出した編集スタジオや試写室、図書室が備えられている。

現在販売中のデヴィッド・リンチの邸宅の外観。Photo: Courtesy The MLS.com
デヴィッド・リンチの邸宅のリビングルーム。壁にはリンチの作品が掛けられている。Photo: Courtesy The MLS.com
作業室。Photo: Courtesy The MLS.com
編集室。Photo: Courtesy The MLS.com
外にはエリック・ロイド・ライト設計のプールがある。Photo: Courtesy The MLS.com

リンチは少なくとも1度、この邸宅を映画のロケに使っている。1997年の長編映画『ロスト・ハイウェイ』では、自宅を暗く不気味な場所に変え、偏執狂的な主人公とその妻が住む様子を描いた。

もともとアーティストとしてキャリアを始めたリンチは、この邸宅でアート作品も制作していた。長年映画監督としての知名度が勝っていたが、晩年になって彼のアート作品が評価されるようになり、近年はペース・ギャラリーでも個展を開催した。

また、この邸宅のリビングルームには彼の作品やリンチ関連の書籍が置かれたままであり、セットの構想を練ったと考えられる作業室には様々なものが残っている。随所にリンチの気配が感じられる、ファンならば見逃せない物件でもあるだろう。(翻訳:編集部)

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