2024年下半期に必見の世界のアートフェア16選。主要フェアから若手ギャラリストが集う気鋭まで
アートフェアはギャラリーが自慢のアーティストの作品を展示販売する場であり、コレクター、美術関係者にとっては貴重な情報交換の機会でもある。2024年下半期に世界各地で開催される中から厳選した16のアートフェアを紹介する。
INDEX
- 1. アート・オ・ラマ(フランス)
- 2. シドニー・コンテンポラリー(オーストラリア)
- 3. フリーズ・ソウル&キアフ(韓国)
- 4. アーモリー・ショー(アメリカ)
- 5. インディペンデント・20th Century(アメリカ)
- 6. アート・ジャカルタ(インドネシア)
- 7. フリーズ・ロンドン&フリーズ・マスターズ(イギリス)
- 8. 1-54アフリカン・アートフェア(イギリス)
- 9. アート・バーゼル・パリ(フランス)
- 10. アジア・ナウ(フランス)
- 11. パリ・インターナショナル(フランス)
- 12. アーティッシマ(イタリア)
- 13. アート・ケルン(ドイツ)
- 14. ウエスト・バンド・アート&デザイン(中国)
- 15. アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ(アメリカ)
- 16. NADAマイアミ(アメリカ)
海外のアートフェアスケジュールは、暑さがひと段落した9月頃からが再び賑やかになる。その中で注目の話題と言えば、やはり「Paris+, par Art Basel」から名称変更し、会場をグラン・パレへと移した「アートバーゼル・パリ」だろう。1900年にパリ万博のために建てられた壮麗な空間と現代アート作品の競演がどのようなものになるか楽しみだ。そして、昨年フリーズに買収されたニューヨークのアーモリー・ショーの変革にも注目したい。
今年下半期に世界中で開催されるアートフェアの中から、最大手のフリーズ、アート・バーゼルはもちろんのこと、若手ギャラリストが集う気鋭のフェアから老舗の実力派まで幅広くリストアップした。これからの旅行計画の参考にしていただきたい。
1. アート・オ・ラマ(フランス)
オーストラリア、ニュージーランドの現代アートの最前線を体感できるのがシドニー・コンテンポラリーだ。11回目を迎える今年は95のギャラリーと500を超えるアーティストの作品が並ぶ。
シドニー・コンテンポラリー
日程:9月5日~8日(4日はプレビュー)
会場:キャリッジワークス
3. フリーズ・ソウル&キアフ(韓国)
5月に開催しているインディペンデント・ニューヨークがコンテンポラリーアートにスポットを当てる一方、インディペンデント・20th Centuryは20世紀に活躍したアーティストや国際的な前衛運動にフォーカスしている。参加は招待制のため、卓越したプレゼンテーションを楽しむことができるだろう。アーモリー・ショーと同時期、至近の会場で開催されているため、両フェアをはしごして楽しみたい。
インディペンデント・20th Century
日程:9月6日~8日(5日はプレビュー)
会場:バッテリー・マリタイム・ビルディング
6. アート・ジャカルタ(インドネシア)
毎年秋の訪れとともに開催される、イギリスを代表するアートフェア。フリーズ・ロンドンは主に2000年以降、フリーズ・マスターズは2000年以前に制作された作品を出品する。フリーズ・ロンドンは43カ国から160以上のギャラリーが参加。今年はデザイン事務所A Studio Betweenによる画期的なフロアプランが採用され、レイアウトとエントランスが一新する。また、パブロ・ホセ・ラミレスがディアスポラや先住民の歴史を探求するセラミック作品を紹介する新セクション「Smoke」をキュレーションすることが決まっている。フリーズ・マスターズは世界26カ国から130ギャラリーが参加。ネイサン・クレメンツ=ガレスピーが指揮を執り、スタジオ・セクションの拡大や、美術史を超えたクリエイティブなつながりを促すフロアプランの再定義など、アーティストを中心としたアプローチで再構築される。
フリーズ・ロンドン&フリーズ・マスターズ
日程:10月11日~13日(9日・10日はプレビュー)
会場:リージェンツ・パーク
8. 1-54アフリカン・アートフェア(イギリス)
アフリカ大陸を構成する54の国にちなんで名付けられた「1-54アフリカン・アートフェア」は、アフリカとそのディアスポラの現代アートに特化したフェアだ。アートバーゼル・香港が開催されていた3月、クリスティーズ・香港では1-54アフリカン・アートフェア企画の展覧会が開催されるなど、アフリカンアートへの注目はアジアでも勢いを増している。生粋のアートラバーはこれから発表される出展者リストを是非ともチェックしてほしい。
1-54アフリカン・アートフェア
日程:10月11日~13日(10日はプレビュー)
会場:サマセット・ハウス
9. アート・バーゼル・パリ(フランス)
昨年はParis+, par Art Baselの名称で開催されていたが、今年からはアート・バーゼル・パリへと改名された。会場はパリオリンピックに合わせて改修工事が完了した、1900年のパリ万国博覧会のために作られた歴史的建造物グラン・パレへと移る。同フェアはメインの「Galeries」、若手にフォーカスした「Emergence」、そしてグラン・パレにちなみ、1900年以前に制作された作品を含むキュレーションブースの「Premise」の3セクションで構成される。
アート・バーゼル・パリ
日程:10月18日~20日(16日・17日はプレビュー)
会場:グラン・パレ
10. アジア・ナウ(フランス)
アートバーゼル・パリ開催期間の注目フェアのひとつにパリ・インターナショナルも挙げられる。新興ギャラリーを支援することを目的としており、世界各地から参加したギャラリーが挑戦的な展示を見せる。毎年開催場所を変更しており、今年の会場も近日公開されるだろう。アートバーゼル・パリ、アジア・ナウ、パリ・インターナショナルを紹介したが、同時期にThe Salon by NADA and The Community 、Moderne Art Fair、AKAA(Also Known As Africa)、OFFSCREENなどのフェアや関連イベントが開催されている。時間が許す限りパリのアートシーンを堪能してほしい。
パリ・インターナショナル
日程:10月16日~20日(15日はプレビュー)
会場:未発表
12. アーティッシマ(イタリア)
世界で最も古いアートフェアであるアート・ケルンは今年で57回目の開催となる。会場にはドイツ国内ギャラリーから海外の有名ギャラリーまで、例年190のブースが並ぶ。
アート・ケルン
日程:11月8日~10日(7日はプレビュー)
会場:ケルン・エキシビション・センター
14. ウエスト・バンド・アート&デザイン(中国)
毎年12月初旬、1年の締めくくりとして世界中のコレクターや業界関係者が集まるのがアート・バーゼル・マイアミ・ビーチ。昨年新フェアディレクターにブリジット・フィンの就任が決まり、今年は彼女が指揮を執る初めてのフェアということで注目が集まっている。出展ギャラリーの発表は9月の予定だ。
アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ
日程:12月6日~8日(4日・5日はプレビュー)
会場:マイアミ・ビーチ・コンベンション・センター
16. NADAマイアミ(アメリカ)
アート・バーゼル・マイアミ・ビーチと一緒に訪れたいアートフェアにNADAマイアミがある。NADA(New Art Dealers Alliance)が主催する本フェアでは、小規模なプレゼンテーションやキュレーション・プロジェクトに特化した良質なブースを楽しむことができる。NADAのほかにはUntitled Art Fairなど、この時期のマイアミ・ビーチでは多くのアートフェアやイベントが開催されている。
NADAマイアミ
日程:12月3日~7日
会場:アイス・パレス・スタジオ