「Paris+」が「アート・バーゼル・パリ」に改名。規模を拡大しグラン・パレでリニューアルスタート
アート・バーゼルがフランス・パリで開催しているアートフェア、Paris +, par Art Basel。2024年からは名称を「アート・バーゼル・パリ」に変更し、グラン・パレを会場に10月18日から20日まで(プレビューは16・17日)開催されることが発表された。
アート・バーゼルは2022年から毎秋、パリにある仮設施設グラン・パレ・エフェメールで「Paris +, par Art Basel」を開催してきたが、2024年から名称を「アート・バーゼル・パリ」に改名することが発表された。会場もグラン・パレに移る。同会場は3年間に渡って改修工事を行っており、リニューアル後初めてのアートフェアだ。
今年の出展者は42カ国・地域から194ギャラリーで、前年に比べると40ギャラリーの増加になる。そのうち、パリに拠点を構えるのは64ギャラリー。初参加となるのは51ギャラリーだ。
アート・バーゼル・パリは、メインの「Galeries」、新進のギャラリーやアーティストに特化した「Emergence」、そして今回新設される「Premise」の3セクションで構成される。「Premise」では、1900年のパリ万国博覧会の際に落成したグラン・パレにちなみ、1900年以前に制作された作品を中心とした企画展を9ギャラリーが開催する。
「Galeries」では、グッドマン・ギャラリーがウィリアム・ケントリッジ、カプワニ・キワンガらによるグローバル・サウスの複雑な歴史とアイデンティティを反映した作品を展示する一方で、香港のKiang Malingueはディアスポラをテーマに、ニューヨークでの活動経験を持つ山下紘加と、キャリー・ヤマコア、エレン・パウといった女性アーティストの作品を紹介するなど各ギャラリーが趣向を凝らした展示を用意する。また、昨年に引き続き、パリのアールブリュット専門ギャラリーのクリスチャン・バースト、メガギャラリーのデヴィッド・ツヴィルナーやグザヴィエ・ハフケンス、Kukje Galleryなどが今年も参加する。
そのほかの新たな試みとして、10月18日・19日の2日間は、出展者が「メイン会場では展示することが出来ない」遊び心あふれる展示を繰り広げる「Oh.La.La!」も開催予定。さらなる詳細は、今後、公式ホームページ内で発表していくという。
アート・バーゼル・パリのディレクター、クレマン・ドゥレピーヌは、「2024年の出展者リストは、ギャラリーのためのダイナミックなプラットフォームとしてのフェアの重要な役割と、パリが世界のアートマーケットの要であることを浮き彫りにしています。出展者は、このフェアで素晴らしい作品を用意していることは明らかです。私たちは、ギャラリーとその顧客、そして来場者にとって最高の環境を作ることを楽しみにしています」と抱負を語る。