NADAが今秋パリで新アートフェアを開催!地元アート機関とのコラボで型破りな展示を目指す
アメリカのニュー・アート・ディーラーズ・アライアンス(以下NADA)は、パリのアート機関ザ・コミュニティとパートナーシップを組み、2024年10月にパリで新しいアートフェアを開催することを発表した。
この新しいアートフェア「The Salon by NADA and The Community」は、パリ10区で10月17日から20日まで行われる。同時期にパリでは2つのアートフェア、アート・バーゼルParis+(10月16日~10月20日)とパリ・インターナショナル(10月15日~10月20日)の開催も決まっている。
現代アーティストの育成、支援、発展を目的として2002年に設立された非営利のアートアソシエーション、NADAは、現在マイアミとニューヨークの2つのアートフェアを主催する。NADAのエグゼクティブ・ディレクターであるヘザー・ハッブスはUS版ARTnewsの取材に対して、パリ開催の理由を「アートシーンが益々拡大している中で、アメリカ国外でのフェア開催を考え、その開催地について理事会で話し合ってきました」と明かす。
そしてNADAは開催地の候補をヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカに絞り、検討委員会でアンケートを行ったところ、パリが上位に挙がったという。この決定には、ドイツのアートフェア、アート・ケルン見本市でNADAが2013年から2016年に行ったコラボレーション展示での好感触も一因となった。 ハッブスは、「ヨーロッパでの露出は、組織にとって本当に良いことでした」と話す。
今回NADAのパートナーとなるザ・コミュニティは、2016年に設立された学際的なアート機関で、パリ郊外のパンタンにスペースを持つ。これまでトム・オブ・フィンランドやトーベ・ヤンソンなどの展覧会を各地で開催し、2019年と2020年には新しいアートフェア、「サロン・ド・ノルマンディー」を行った実績を持つ。2023年10月のParis+の期間中には、NADAとのコラボレーションのソフトローンチとしてのパーティを開いた。
新フェア「The Salon by NADA and The Community」は招待制となる。出展者はNADAとザ・コミュニティ双方のネットワークから集めるが、NADAマイアミの約130軒、ニューヨークの約100軒に比べてはるかに小規模となる約50軒まで絞り込む見通しだ。
そして、アートフェアで一般的な壁で囲ったブース形式を取らないというのも、新フェアの大きな特徴だ。その理由についてハッブスは「アートフェアで他の組織と組むということはこれまでやったことがないですし、ザ・コミュニティには、DIYとパンク・ロックという、彼ら自身のエトスのようなものがあるからです」と話す。
ハッブスは今回のフェアについて、「いろいろなことがちょうどいい瞬間に重なって実現しました。NADAとザ・コミュニティはとても相乗効果があり、パリ・インターナショナルやアート・バーゼルParis+とは少し違った、とてもクールなものを一緒に作り上げることができると思います」と胸を張る。(翻訳:編集部)
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