徐慶培(ソ・ギョンぺ/Suh Kyung-Bae)

拠点:韓国・ソウル
職業:化粧品製造販売(AmorePacific)
収集分野:現代アート、韓国の伝統美術

「美」は、徐慶培の仕事でもあり彼の情熱でもある。韓国を代表する化粧品会社である自らの会社について徐は、「アモーレパシフィック社は化粧品を売るだけでなく、文化を広める会社である」と述べている。その言葉を裏付けるように、同社は1979年に美術館を設立し、韓国美術の研究と展示を行っている。

徐はまた、「韓国女性の文化の地位を向上させ、韓国文化の素晴らしさを世界に広める」ことを目指している。その一環としてアモーレパシフィックは、2005年に日本で「韓国女性の優雅さと美しさ」と題した展覧会を開催し、2008年にはロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)の韓国ギャラリーに「ウィーメンズ・クォーター」を開設するため30万ドル(約4350万円)を寄付した。

その3年後、徐は韓国の現代アートの購入資金として、LACMAに年間20万ドル(約2900万円)を5年間提供することを約束している。さらに2022年、ペース・ギャラリーがアモーレパシフィック傘下の高級緑茶ブランド、オソロックと提携してソウルのギャラリー内にカフェをオープンし、アート界における徐の影響力を裏づけた。ペースのマーク・グリムチャーCEOがUS版ARTnewsに語ったところによると、このカフェについては徐自身が陣頭指揮をとったという。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。