アレクサンダー・テジャ(Alexander Tedja)

拠点:インドネシア・ジャカルタ
職業:不動産業
収集分野:現代アート

「私にとってアートは日常生活の一部。自宅から仕事、趣味に至るまで、全てがアートと密接に結びついていて、アートを中心に回っていると言ってもいいくらいです」。アレクサンダー・テジャは、2016年に富裕層向けメディアのタトラーにこう語った。南ジャカルタの複合商業施設ガンダリアシティの会長で、インドネシアの富豪トップ50に入るテジャは、東南アジア最大の現代アートフェア、アートステージ・ジャカルタの主要パートナーでもある。

不動産業で財を成したテジャが、アート収集を始めたのは1980年代末。現在は、アファンディ、スナリオ、リー・マンフォン、アフマド・サダリ、スリハディ・ソエダーノといったインドネシアで人気のあるアーティストの作品に加え、日本、ベトナム、イギリス、中国、韓国、フィリピンなどのアーティストの作品を所有している。

タトラーの取材に彼は、映画産業と不動産開発の仕事をした経験が、アート収集と建築への情熱につながったと語っている。そのコレクションの多くは、ジャカルタのショッピングモール、ガンダリアシティの公共スペースや民間施設に設置され、たとえばシェラトン・グランド・ジャカルタでは、故ロバート・インディアナの彫刻《LOVE》がゲストを迎えている。

「絵画をホテルに飾っているのは、ゲストがそれをゆっくり鑑賞する時間があるからです」とテジャは言う。「彫刻は主にショッピングセンターに設置しています。彫刻にはスペースが必要ですし、みんなが彫刻と一緒に写真を撮りたがるからです」。なお、米フォーブス誌によると、2019年12月時点でのテジャの純資産は14億5000万ドル(約2100億円)と推定されている。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。