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バンクシーが戻ってきた! 乳首から血を流す母と子を描いた新作が意味するものとは?

12月17日午後2時ごろ(イギリス時間)、バンクシーが自身のインスタグラム上に新作を投稿した。コメント欄では、既に多数の憶測が飛び交っている。

Photo: Instagram/@banksy

ロンドン動物園のエントランスに動物シリーズ最終作を残してから約4カ月、バンクシーが新作をインスタグラム上で発表した。投稿は、覆面アーティストの拠点とされるイギリス・ロンドン時間の12月17日午後2時ごろ。

場所や詳細は何も明かされていないが、投稿された画像は作品の一部を切り取ったものと見られる。ところどころ錆びたスチールと思しき素材に描かれたこの作品の主役は、片方の乳房を顕わにし、まるで銃弾で撃ち抜かれたような乳首から血のような液体を流す母親と(バンクシーは、支持体のスチールにあいた穴とそこから流れ出た錆水の跡を利用して描いている)、その胸元で不安そうに母親を見つめる赤ん坊。赤ん坊に落とす母親の視線はどこか憂いを帯びているようにも見える。

コメント欄には多数の「Free Palestine(パレスチナを解放せよ)」のメッセージのほか、母親は聖母マリアだとする見方や、母と子の様子から「別離」や「機能不全に陥った社会」を暗示しているのではないか、パレスチナで犠牲になった母親たちへの哀悼なのではないかなど、既に様々な憶測が飛び交っている。中には、覆面アーティストの拠点とされるイギリス・ロンドンから西に30kmほど上がったところにある街、スラウ(Slough)で描かれたものと指摘する声もあるが、その根拠は示されていない。

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