アリソン&ラリー・バーグ(Allison and Larry Berg)
拠点:アメリカ・ロサンゼルス、ニューヨーク
職業:投資家、法律家、ジャーナリスト、フィランソロピスト(A&Lバーグ財団)
収集分野:近現代アート
金融界でキャリアを積んできたラリー・バーグは、メジャーリーグサッカーのロサンゼルスFCの経営にも携わっている。一方、作家、編集者、フィランソロピストのアリソン・バーグは、ドキュメンタリー映画『The Art of Making It』をプロデュースしたことで知られる。アート界で頭角を現すために乗り越えなければならない試練を捉えたこの映画には、フェリペ・バエサ、ジゼラ・マクダニエル、ジェナ・グリボンといった新進アーティストたちが登場している。
バーグ夫妻の近現代アートコレクションは、草間彌生やルイーズ・ブルジョワから、ニーナ・シャネル・アブニー、マグダレナ・スアレス・フリムケス、カーリ・アップソンまで幅広い。2023年にアリソンは、アートニュースペーパー紙の取材でこう語っている。「子どもたちからは、私がアート作品のことをまるで一緒に生活している家族のように話すと言われます」。そのアリソンは、アートを買うときには「他人の評判ではなく、自分の目で判断する」ことを信条にしているという。
夫妻はアート界の変革にも関わるようになり、2023年にA&Lバーグ財団を立ち上げてキャロリン・ラモをディレクターに任命。若い作家への指導や助言を通じてアートのエコシステム形成を支援している。アーリー・ステージ・アーツ・プロフェッショナルズ(ESAP)と呼ばれるこのプログラムでは、まずラテン系の新進キュレーター6人に、世界でリサーチと人脈形成を行う機会を提供。キュレーターたちは、2024年ヴェネチア・ビエンナーレのカタログ制作に協力し、その後も旅を続けている。このプラグラムについてアリソンは、ARTnewsの取材にこう答えた。「私たちが投資しているのは、(アート界への)コミットメントを示し、目標達成への道筋を考えようとするプロフェッショナルたちです。つまり、プロとして成長し、人脈を築き、アートの世界で成功するために必要な扉を開くための道筋です」
2017年以来、アリソンはロサンゼルス・カウンティ美術館の理事を務め、ジュリー・メレツ、ディードリック・ブラッケンズ、ジジフォ・ポスワなどの作品取得資金を提供。また、アートNPOのアルタディアやザ・ミステイク・ルーム、ロサンゼルス現代美術館、ディア・アート財団への支援も行っている。