菅原敏が監修。心の健康に光を照らす「詩と絵画」展が、江戸川区で開催中

精神障がいに対する偏見をなくし、理解を促そうという課題に取り組む試みとして、企画展「『ひかりをかさねる』~詩と絵画展~」が開催中だ。本展の監修を手掛けたのは、「Poetry & Painting」を連載中の詩人・菅原敏。

Poetry & Painting」を連載中の詩人・菅原敏が監修を務める企画展「『ひかりをかさねる』~詩と絵画展~」が、2月25日まで、東京・江戸川区の「あーとコモンズ Sumi-Co」にて開催されている。本展は、東京藝術大学が運営するSumi-Coと、地域活動支援センター「はるえ野」による共同企画。

本展は、2025年10月から11月にかけて実施された菅原による詩のワークショップを起点として生まれた。企画の背景には、精神障がいに対する偏見をなくし、理解を促そうという地域課題がある。東京藝術大学Sumi-Coのスタッフが江戸川区健康部保健予防課から相談を受けたことから、精神やこころの病を抱える人々の表現活動に光を当てる取り組みとして、「詩」を軸としたプロジェクトが立ち上げられた。

ワークショップは全2回にわたり実施された。第1回では、はるえ野のアートサークルや演劇サークルのメンバーが持ち寄った詩を切片化し、グループで再構成する共同詩作に挑戦。第2回では、はるえ野で絵を描く参加者に加え、東京藝術大学美術学部デザイン科の学部生5名も参加し、自作の絵画から着想した詩の創作が行われた。こうして生まれた詩と絵画は、個々の内面と丁寧に向き合う過程を経て、本展の展示作品として結実している。会場空間全体を一冊の詩画集のように捉え、詩と絵画が静かに共鳴し合う場として構成している点も特徴だ。

菅原は本展について、「それぞれに背景の異なる利用者の皆さんと過ごし、ご一緒に表現を探っていく時間は、“ひかり”を1ページずつ重ねていくような時間でした。古代ローマの詩人ホラティウスの言葉『絵は黙せる詩、詩は語る絵』や、日本における芸術表現『詩画一致』という言葉のように、詩と絵画の共鳴に心を重ねていただきたい」と語る。

表現を通じて他者と出会い、心を重ねる体験を提示する試みとして、福祉とアートの接点を静かに問いかける展覧会。終了後には、展示作品を収録した詩画集の制作も予定されている。

「ひかりをかさねる」~詩と絵画展~
会期:2026年1月13日(火)~2月25日(水)
時間:9:00~17:00(会期中無休)
会場:あーとコモンズ Sumi-Co(東京都江戸川区松島2-16-20 江戸川区文化スポーツプラザ3F)
入場料:無料
展示アートディレクション:青山 希望(non Editions)

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