エッフェル塔の「本物の階段」がオークションに。世界に散った20片のひとつ、予想落札価格は900万円

フランスのオークションハウス、アールキュリアルが5月21日に開催するオークションで、エッフェル塔の「階段」が出品されると報じられた。予想落札価格は4万〜5万ユーロ(約737万~920万円)。

パリのエッフェル塔。Photo: Getty Images.

フランスのオークションハウスであるアールキュリアルが5月21日に開催するオークションで、エッフェル塔の螺旋階段が出品されるアートネットが伝えた。

エッフェル塔は1889年、同年に開催されたパリ万国博覧会のためにギュスターヴ・エッフェルの設計のもと建設された。高さ300メートル、当時は世界で最も高い人工構造物だった塔は3つの階層に分けられており、最上階にはエッフェルの私設オフィスが設けられていた。建設当初はエレベーターの技術がまだ発展途上で、一部はエレベーターを導入したものの、全階層は螺旋階段によって繋げられていた。その後、地上階と第2層を結ぶ階段は安全性と快適性の向上のために改修され、第2層と第3層を結ぶ階段は1983年にエレベーターへと全面的に置き換えられた。

この際、取り外された全長約160メートルにおよぶ螺旋階段は24に分割された。うち約4メートル30センチの一片は現在もエッフェル塔の第1層に展示されている。また、もう3点はフランス国内の機関に寄贈され、パリのオルセー美術館やラ・ヴィレット公園、ジャルヴィル=ラ=マルグランジュの鉄の歴史博物館に収蔵されている。残る20点は、1983年12月1日にパリで一括して競売にかけられた。

現在、これら20の階段片は世界各地に散在している。比較的大きな一片は2年前にペンシルベニア州で確認されており、別の一片はディズニーランド関連施設に、さらにもう一つは日本の吉井画廊創設者である故吉井長三が手がけた清春芸術村の庭園内に設置されている

アールキュリアルのオークションに出品されるエッフェル塔の階段。Photo: Artcurial
1889年のパリ万国博覧会開催中、エッフェル塔の頂上付近を訪れる人々。Photo: Wikimedia commons

エッフェル塔の階段はその後も一定の関心を集めてきた。2013年には、アールキュリアルに19段、高さ約3メートル50センチのものが出品され、21万2458ユーロ(現在の為替で約3916万円)で落札されている。さらに3年後には、激しい競り合いの末に約2メートル60センチのものが52万3800ユーロ(同・約9654万円)で競り落とされ、史上最高額を記録した。その後2020年には約2メートル60センチのものが25万3500ユーロ(同・約4671万円)で落札されている。

約2メートル60センチで、14段の踏板が据えられた今回の階段は、40年以上にわたり同一の個人コレクションに収蔵されてきた。予想落札価格は4万〜5万ユーロ(約737万〜920万円)とされているが、前例を見るとさらに値が上がる可能性もある。アールキュリアルのアール・デコ専門家サブリナ・ドラはアートネットの取材に対し、この階段はオークションに先立ってエッフェル塔の保守を担う工房によって修復され、当時の色合いを再現した茶色に塗装されたと説明した。また、比較的小型のものであるため、オークションでは高い人気を集めやすいとの見方を示している。

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