赤裸々な未公開書簡も──マリリン・モンロー生誕100年、その素顔に迫る大規模オークション開催
2026年6月1日に生誕100周年を迎えるマリリン・モンロー。それにちなみ、ヘリテージ・オークションズとジュリアンズ・オークションズで開催される大規模オークションから、未公開の手紙や愛用品、衣装など、20世紀最大のスターの素顔に迫る注目の出品アイテムを紹介する。

2026年6月1日は、マリリン・モンロー(1926-1962)の生誕100周年にあたる。これにちなみ、6月4日からロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで、モンローの写真に焦点を当てた展覧会「Marilyn Monroe: A Portrait」が開催される(9月6日まで)。また、ヘリテージ・オークションズとジュリアンズ・オークションズでは、モンローゆかりの品々を集めた大規模オークションが行われる。
結婚生活を赤裸々に伝える未公開書簡が出品
6月1日に開催されるのが、ヘリテージ・オークションズによる「The Marilyn Monroe Collection from the Estate of Norman and Hedda Rosten Hollywood/Entertainment」だ。100点以上におよぶ出品ロットの大半は、モンローの親友だったノーマン・ローステンとヘッダ・ローステン夫妻のコレクションから提供された書簡、文書、スケッチ、メモなどで構成されている。
なかでも注目を集めるのが、モンローと3人目の夫アーサー・ミラーとの間で交わされた書簡群だ。2人は1956年に結婚し、1961年に離婚した。未公開の8ページにおよぶ手紙(スタート価格5万ドル/約800万円)には、ミラーが自らの行動と結婚生活を振り返り、次のように綴っている。
「私はあなたに花開いてほしかった、喜びに満ちてほしかった。なのに現実には、あなたがすり潰されていくのを目にしている。それも私によって。あなたはどこかで分かっていたはずだ。私が根本的にあなたの敵対者であることを、いや、敵であることさえも」
その衝撃的な内容から、ローステン夫妻はタブロイド紙の手に渡ることを恐れたのか、手紙の冒頭の宛名部分と末尾の署名部分を切り取って保管していたという。
また、1958年頃にモンローが流産の可能性について綴った手紙も出品される(スタート価格2万ドル/約300万円)。そこには、「妊娠して3週間か、あるいは2週間くらいだと思う。胸が痛くて触ることさえできない(中略)空腹の状態でアミタールを全部飲んだことで、赤ちゃんを死なせてしまったのだろうか? どうすればいい? もしまだ生きているなら、産みたい!」と記されている。この一文は、モンローがどれほど強く子どもを望んでいたか、そして服用していた処方薬がその可能性を損ねたかもしれないことに深く苦しんでいた様子を物語っている。なお、ノーマン・ローステンは回顧録の中で、この手紙が書かれた当時、モンローは実際には妊娠していなかったと記している。
ローステン夫妻の娘パトリシアとの親密な関係を示す品も、今回の目玉のひとつだ。幼い頃にモンローの自宅を訪れたパトリシアが魅了されたのが、真珠をあしらったファベルジェ製の置き時計だった(スタート価格8万ドル/約1270万円)。この時計は、1954年に結婚したニューヨーク・ヤンキースのスター選手ジョー・ディマジオから贈られたものと考えられているが、モンローはそれを惜しげもなく少女に譲ったという。
さらに、ディマジオとの結婚初期にまつわる品々も出品される。クリスチャン・ディオールがデザインした黒のツーピース・スカートスーツ(スタート価格2万1000ドル/約330万円)は、1954年、サンフランシスコ空港でディマジオと共にパパラッチのフラッシュを浴びた際にモンローが着用していたものだ。新婚の2人はそのままハネムーンで日本へ向かったが、深刻な亀裂を抱えていたこの結婚生活は1年足らずで終わりを迎えた。
モンローの口紅が入ったイブニングバッグも
一方、ロサンゼルスを拠点とするジュリアンズ・オークションズでは、6月4日にターナー・クラシック・ムービーズとの共催で「100 Years of Marilyn」を開催する。未公開写真や書き込み入りの台本、使用していた化粧品など、185ロットが出品される予定だ。
最高額での落札が予想されているのは、トミー・ヒルフィガー夫妻が所有していたイブニングバッグ(予想落札価格10万〜20万ドル/約1600万〜3200万円)だ。バッグの中には、ドロシー・グレイの口紅、コンパクト、鏡、数本のタバコ、1940年代初頭の10セント硬貨2枚など、モンローの私物がそのまま残されている。
このほか、1950年代にモンローのために仕立て直されたジャンヌ・ランバンのシルク製イブニングガウン(予想落札価格2万〜3万ドル/約320万〜480万円)、ストラスバーグ家に受け継がれたブラジャー(予想落札価格1000〜2000ドル/約16万〜32万円)なども出品される。また、死の約1カ月前の1962年に撮影された未公開写真も、予想落札価格4000〜6000ドル(約63万〜95万円)で出品予定。
ジュリアンズ・オークションズ共同創設者兼エグゼクティブ・ディレクターのマーティン・ノーランは、スミソニアン・マガジンの取材に対し、次のように語っている。
「マリリン・モンローが存在する前と後では、世界は全く別のものになりました。彼女は一世代にひとりのスターであり、その影響は文化そのものを塗り替え、今日に至るまで響き続けているのです」























