ストーンヘンジに「先史の生活」を再現する新施設──総工費2億円、当時の技術で建設

ストーンヘンジに隣接する新石器時代の遺跡をもとに、高さ約7メートルの建物が再現された。先史時代の道具や近隣で調達した材料を使って建設されたこの施設は、ストーンヘンジを築いた人々の暮らしを体感する場として公開された。

ストーンヘンジ付近で再現された4500年前の建物。Photo: Courtesy of English Heritage
ストーンヘンジ付近で再現された4500年前の建物。Photo: Courtesy of English Heritage

イギリス全土で400以上の史跡を管理する慈善団体イングリッシュ・ヘリテージは5月22日、ストーンヘンジを舞台に、4500年前の建物を再現した「Kusuma Neolithic Hall(クスマ新石器時代ホール)」を公開した。本格オープンは今夏の予定で、高さはおよそ7メートルに及ぶ。

134万ドル(約2億1300万円)の建設費を投じて作られたこの建物は、ストーンヘンジを築いた先史時代の人々の暮らしを来場者に想像してもらうことを目的としている。

このホールは、ストーンヘンジに隣接するダーリントン・ウォールズに残された建物跡を基に再現された。建設には100人以上のボランティアが参加し、完成までに9カ月を要したという。数々の受賞歴をもつ実験考古学者ルーク・ウィンターに率いられた参加者たちは、石斧などの先史時代の道具を使いながら、アシを使った茅葺き、松材、石灰を混ぜた土壁など、近隣地域で入手できる材料を駆使してホールを作り上げた。

この建物の正確な用途は分かっていないが、ダーリントン・ウォールズで発掘された動物の骨や土器から、当時この地域で大規模な祝宴が行われていた可能性が指摘されている。今回の再現プロジェクトは、ストーンヘンジそのものだけでなく、その周辺に広がっていた新石器時代の文化や人々の営みを考える手がかりにもなっている。建設に参加したボランティアのひとり、エマ・グレーガーは次のように語っている。

「建物が形になっていく様子を見て、大きなやりがいを感じました。なかでも、オーク材で作られた2本のドア枠を設置した作業は忘れられません。チーム全員で柱を持ち上げ、正確な位置に合わせていく一体感がとても印象に残っています」

また、イングリッシュ・ヘリテージの保存・学芸・教育担当ディレクターを務めるマット・トンプソンは、次のようにコメントした。

「このホールは、観光客や学生にとってストーンヘンジでの体験を豊かにする素晴らしい施設になります。それだけでなく、当時使われていた技術や材料を取り入れて再現することで、ストーンヘンジ周辺を訪れ、暮らしていた新石器時代の人々の日常生活について、私たちの理解を深めるきっかけにもなりました」

このホールは、イングリッシュ・ヘリテージが進めるストーンヘンジの教育プログラム拡充の一環として整備された。9月からは、学校団体が歴史を体感できる見学施設として活用される予定だ。(翻訳:編集部)

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