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アート界の偉大なる女性たちを称える映画5選:ベルト・モリゾ、ペギー・グッゲンハイムほか【アートで祝う国際女性デー】

女性の地位向上に尽力した人々の功績を称える国際女性デーにちなみ、知られざる女性アーティスト、アートコレクターに光をあてる映画を厳選して紹介する。今よりもアート界で女性が生き抜くことがタフだった時代に、力強く、自ら道を選び進んだ彼女たちの姿は、私たちに大きな勇気を与えてくれる。

「画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密」 Huluで配信中 ©K'ien Productions - 2012Reserved.

1. 『画家モリゾ、マネの描いた美女~名画に隠された秘密』

「画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密」 ©K'ien Productions - 2012Reserved.

ベルト・モリゾ(1841-95)は女性が芸術家として生きていくことが非常に難しかった19世紀に画家として名を残している稀有な存在だ。女性や子供を描いたなにげない生活の一場面の親密さには、時代を先取りした感性がにじみ出ている。いくつかのエドゥアール・マネの作品でモデルを務めていることでもよく知られているが、改めてひとりのアーティストとして関心と人気が高まっている人物といえるだろう。この映画では、自らの表現を模索するモリゾが、当時の画壇の主流だったサロンに対抗して開催された印象派展に参加するまでが描かれる。監督は、ゴダールやレオス・カラックス作品の撮影監督としても名高いカロリーヌ・シャンプティエ。

作品情報:『画家モリゾ、マネの描いた美女~名画に隠された秘密

製作年:2012年
製作国:フランス
上映時間:105分
配給:ユナイテッド・シネマ
監督:カロリーヌ・シャンプティエ
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2. 『魂のまなざし』

『魂のまなざし』より ©︎ Finland Cinematic

19世紀から20世紀にかけてフィンランドを拠点に精力的な創作活動をおこない、そのモダンな作風が近年になって世界的に評価を高めているヘレン・シャルフベック(1862−1946)。本作は彼女の生誕160周年を記念して公開された伝記映画だ。10代から最晩年まで長きにわたって活動を続けたアーティストだが、この映画は彼女の人生と創作にとって大きな転機となったとされる1915年から1923年までのおよそ8年間のできごとに注目。田舎で高齢の母と暮らし、孤独に描きためていた作品たちが、ある画商とその友人との出会いをきっかけに、人々の知るところとなるのだ。

作品情報:『魂のまなざし
製作年:2020年
製作国:フィンランド・エストニア合作
上映時間:122分
配給:オンリー・ハーツ
監督:アンティ・J・ヨキネン

3. 『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』 DVD発売中 DVD価格:4,180円(税込) 発売販元:松竹 ©2016 Small Shack Productions Inc./ Painted House Films Inc./ Parallel Films (Maudie) Ltd. ※2023年3年8月時点の情報です

あざやかな色彩と素朴なタッチで動物たちやつつましい日常生活を描き、カナダで愛されているモード・ルイス(1903-70)。幼い頃からリウマチを患い、たいへん小柄で手足が不自由だったにもかかわらず、絵という表現手段を見つけフォーク・アートの画家として知られるようになった彼女と、彼女を支えた夫エベレットの実話に基づく劇映画だ。「はみ出し者」の演技には定評があるサリー・ホーキンスがモードを、数々のヒット作で知られるイーサン・ホークがエベレットを演じている。

作品情報:『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
製作年:2016年
製作国:カナダ・アイルランド合作
上映時間:116分
配給:松竹
監督:アシュリング・ウォルシュ

4. 『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』

映画『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』より ©︎Roloff Beny / Courtesy of National Archives of Canada

アートの世界で大きな力を振るっているコレクターたち。アーティストとして表立って活躍するのみならず、アートの価値を決め、支える地位に就くことも、かつて女性には狭き道だった。そんな中で例外的に20世紀の大コレクターとしてよく知られているのが、ペギー・グッゲンハイム(1898-1979)である。水の都ベネチアにある「ペギー・グッゲンハイム・コレクション」では、ポロックダリカルダーピカソなど、彼女が蒐集した品々を見ることができる。晩年のインタビューからの本人の肉声をメインに、さまざまな関係者たちから彼女の華やかな業績が語られる。

作品情報:『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪

製作年:2015年
製作国:アメリカ
上映時間:96分
配給:S・D・P
監督:リサ・インモルディーノ・ブリーランド

5. 『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』

配給:トレノバ

ここ数年、世界各地で大規模な回顧展が開催され、大きな話題となっているヒルマ・アフ・クリント(1862-1944)。公的な美術教育機関の門戸が女性にも比較的早いうちから開かれていたスウェーデンの王立美術院に学び、伝統的な画家として活動していた彼女だが、次第に神秘主義に傾倒。彼女はそれに伴って、独自の抽象表現を追求するようになった。しかし、そうした作品を広く発表することはなく、そのうえ死後20年間は公開しないようにと遺言に書いていたという。「これまでの美術史を変える存在」と評判の彼女について学べるドキュメンタリーだ。

作品情報:『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界

製作年:2019年
製作国:ドイツ
上映時間:94分
配給:トレノバ
監督:ハリナ・ディルシュカ

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