ダイアナ元妃の「リベンジドレス」が約30年ぶり競売へ。予想価格は4600万円

夫の不倫告白と同じ夜にダイアナ元妃が着用し、自らの意思と自信を示す象徴となった「リベンジドレス」が、約30年ぶりにオークションに出品される。落札予想価格は最大30万ドル(約4600万円)で、売却益の一部は慈善団体に寄付される。

1994年6月29日、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーに到着したダイアナ妃。Photo: Courtesy of Sotheby’s/Jayne Fincher/Getty Images

ダイアナ元妃(1961-1997)が1994年、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで開かれたサマーパーティで着用した、クリスティーナ・スタンボリアンによる黒いドレス。後に「リベンジドレス」と呼ばれるようになったこの一着が、約30年ぶりにオークションへ戻ってくる。

ダイアナ元妃が、肩や脚を大胆に見せるこのドレスを着用したのは1994年6月29日。当時、別居中だった夫のチャールズ皇太子が、ジャーナリストのジョナサン・ディンブルビーによるテレビインタビューでカミラ・パーカー=ボウルズとの不倫を認めた夜だった。翌日、苦境にありながらも毅然と振る舞うダイアナ元妃の姿は各紙の一面を飾った。

その後、世界的に知られる「リベンジドレス」となったこの一着は、12月9日にサザビーズ・ニューヨークで競売にかけられる。落札予想価格は15万〜30万ドル(約2300万〜4600万円)だ。

このドレスが前回売りに出されたのは1997年。ダイアナ元妃が、がんとエイズの研究を支援するチャリティオークションに、自身のドレス79着を出品した際のことだった。

今回は、ダイアナ元妃の署名と通し番号が入った1997年のオリジナルカタログも付属する。カタログには、ドレスをチャリティオークションに出品するというアイデアを提案したのが、ウィリアム王子だったことも記されている。今回の売却益の一部は、NHSロージアン・チャリティーを通じて、ロイヤル・エディンバラ病院に寄付される予定だ。

12月9日にサザビーズ・ニューヨークで競売にかけられる「リベンジドレス」。Photo: Courtesy of Sotheby’s/Campbell Addy
ドレスの裏地。クリスティーナ・スタンボリアンのタグが付けられている。Photo: Courtesy of Sotheby’s/Campbell Addy

出品者の身元は公表されていないが、スコットランドの実業家一家が所有していたとされる。出品者の女性は声明で、亡き夫との思い出を次のように振り返った。

「夫と私は、このドレスが特別なものだと分かっていました。ダイアナ元妃は人生で最もつらい夜に臨もうとしていましたが、その姿からは少しもそう見えませんでした。写真に撮られるわずかな時間のうちに、これは単なるカクテルドレスから、明確な意思を示す服へと変わったのです」

「30年以上が経った今、世界のどこで『リベンジドレス』と言っても、誰もがどのドレスを指すのか分かります。オークションで落札できた日は、私たち夫婦にとって人生で最も素晴らしい日の一つでした。夫が亡くなった今、私たちの人生のその章は終わりました。このドレスについても、区切りをつける時なのでしょう。私たちと同じように、所有することを喜んでくれる人のもとへ渡ってほしいと思います」

ドレスを通して発信した力強いメッセージ

サザビーズのハンドバッグ&ファッション部門のグローバル責任者を務めるモルガン・ハリミは、「リベンジドレス」について声明でこう説明している。

「言葉が役に立たないとき、あるいは言葉だけでは足りないとき、ファッションは一つの言語になり得ます。ダイアナ元妃は、そのことを直感的に理解していました。このドレスを特別なものにしているのは、元妃が着用したという事実や、サーペンタインの催しで世界中のメディアの見出しを飾ったことだけではありません。重要なのは、それが何を伝えたかです」

さらにハリミは、「ダイアナ元妃は、人生で最も厳しい視線にさらされ感情が大きく揺れ動いた時期に、自らの意思でこのドレスを彼女が発した最も力強いメッセージの一つへと変えたのです」と述べた。

「リベンジドレス」はロンドン・ファッション・ウィークに合わせ、9月18日から24日までサザビーズ・ロンドンで公開される。その後、香港、ジュネーブを巡回し、12月2日からはニューヨークのサザビーズで展示される予定だ。

この黒いドレスは、ピョートル・チャイコフスキーのバレエ『白鳥の湖』に登場する黒鳥オディールや、ジョン・シンガー・サージェントの《マダムXの肖像》(1884)にもたとえられてきた。

現在も、世界のランウェイで活躍するファッションデザイナーたちにインスピレーションを与え続けている。2022年には、テイラー・スウィフトも楽曲「Vigilante Shit」で、「女性のためでも、男性のためでもない。最近は復讐のために装っている」と、ダイアナ元妃のリベンジドレスを想起させる歌詞を歌っている。(翻訳:編集部)

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