岡﨑乾二郎がランドスケープをデザイン、広島の公園に美術館「月詠堂」が11月開館。自身の作品も展示

広島県庄原市のなかつくに公園に、美術館と博物館の機能を備えた小さなミュージアム「月詠堂」が11月23日に開館する。岡﨑乾二郎の作品を中心に地域ゆかりの芸術や文化運動を紹介し、演奏会やワークショップも開催する。

建設中の⽉詠堂 CHAPELLE LUNETTE なかつくに公園を望む ©なかつくにリュケイオン

広島県庄原市のなかつくに公園に、アーティストの岡﨑乾二郎がランドスケープデザインを手がけた小さなミュージアム「月詠堂(つくよみどう)」が11月23日に開館する。

なかつくに公園は、江の川上流に位置する灰塚ダムの建設に伴って生まれた、約12万5000平方メートルの広大な緑地だ。ダム建設によって失われた水田風景を再生するため、岡崎は地元住民とワークショップを重ね、水辺と大地を生かした景観をつくり上げた。

公園東端の「田総の里」に接する場所に建てられる月詠堂の名は、日本神話に登場する月神ツクヨミに由来する。ツクヨミは、イザナギの右目から生まれ、アマテラス(太陽)やスサノオ(嵐)と兄妹をなす、夜と月の神だ。建物には半円筒形のヴォールト屋根を採用し、その形を半月に見立てている。半月形の窓を指す建築用語「ルネット」にちなみ、「チャペル・ルネット」という別名も付けられた。

⽉詠堂 CHAPELLE LUNETTE ⼣暮れ前
©なかつくにリュケイオン
⽉詠堂 CHAPELLE LUNETTE ルネット窓
©TSCA
なかつくに公園 ⽥と⼭々
©なかつくにリュケイオン

公園内には、雨や水にまつわる神々を祀る意賀美神社と表底神社、山から流れ込む水を田へ送る「お米池」、パフォーマンスの場となる「三日月舞台」が点在する。月詠堂の位置と向きは、これらの場所を結ぶ直線や円弧をもとに決められた。お米池に浮かぶ円形の島を満月、三日月舞台を三日月、半円形の月詠堂を半月に見立て、月の満ち欠けを公園全体で表す構成だ。また、雨や渓流の水が池を経て農地へと巡る地域の自然環境を、水の神々にまつわる神話と重ね合わせている。

館内では岡﨑の作品を中心に、この土地にゆかりのある芸術家の仕事や、地域の環境文化計画を起点に展開してきた国際的な文化運動の歩みを紹介する。作品の展示に加え、演奏会や講演会、ワークショップも開催。芸術を教育や医療、環境と結びつけ、子どもから高齢者までが生涯を通じて学び、感性を育む場を目指す。一般公開は、旧暦10月15日・十五夜にあたる11月23日から始まる。

月詠堂 CHAPELLE LUNETTE
公開開始日:11月23日(月祝)
場所:なかつくに公園内(広島県庄原市総領町稲草)
時間:13:00〜17:00※事前予約制・10月23日(金)より予約開始
休館日:火~木
問い合わせ:一般社団法人 なかつくにリュケイオン [email protected]

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