ビヨンセが45歳の誕生日に美術館へ3億1200万円を寄付。「気鋭アーティストとの出会いに感謝」

9月4日に45歳の誕生日を迎えた世界的スター、ビヨンセが、ニューヨークのスタジオ・ミュージアム・イン・ハーレムに200万ドル(約3億1200万円)を寄付した。同館は黒人アーティストの紹介と支援で知られている。

2026年のメット・ガラに登場したビヨンセ。Photo: Dimitrios Kambouris/Getty Images for The Met Museum/Vogue

9月4日に45歳の誕生日を迎えた世界的スター、ビヨンセが、これを記念してニューヨークの美術館、スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム(Studio Museum in Harlem)に200万ドル(約3億1200万円)を寄付した。

同館は、アフリカ系アーティストによる近現代美術の収集や展示、研究、支援を目的に、1968年、5番街のロフトビル2階に設けられた仮設スペースで活動を開始した。2018年から約7年間の休館を経て、2025年11月には125丁目に新館を開館。総工費は1億6000万ドル(約250億円)で、建築家デイヴィッド・アジャイが率いるアジャイ・アソシエイツが設計を手がけた。

2023年には、金融家のジョセフ・ペレラと妻のエイミー・ペレラが、ジャン=ミシェル・バスキアの絵画《Bayou》(1984)を寄贈。これにより同館は、バスキアの絵画を所蔵する数少ないアメリカの美術館のひとつとなった。

新館の開館時にはこのほか、バークリー・L・ヘンドリックス、ケリー・ジェームズ・マーシャル、ハワーデナ・ピンデル、フェイス・リンゴールドキャリー・メイ・ウィームスらの代表作も展示された。

スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム新館。2025年撮影。Photo: Wikimedia commons

ビヨンセは寄付を伝えるプレスリリースで、同館の展覧会を通じてお気に入りの若手・新進の黒人アーティストたちに出会うことができたと振り返り、次のように語っている。

「アートは、過去から現在に至るまで、私たち全ての物語を伝えてくれます。しかし、誰もがアートに触れられるとは限りません。スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレムが、美術館を地域社会に欠かせない存在にしようとしてきたことに、私は以前から感銘を受けてきました。ここは、多様な語り手がキャンバスを通して映し出す人間性や、新たな物語に、あらゆる観客が出会える刺激に満ちた場所です」

「ビヨンセの新曲発表は、もはやアート界の一大イベントだ」

ビヨンセの夫は、ラッパーで音楽界の大物として知られるジェイ・Z(Jay-Z)だ。ジェイ・Zは、US版ARTnewsの「トップ200コレクターズ」の常連でもある。夫妻は2018年に発表した楽曲「Apeshit」のミュージックビデオを、パリのルーブル美術館で撮影したことでも知られている。

US版ARTnewsのシニアエディター、アレックス・グリーンバーガーは、85分間のビジュアルアルバム『Black Is King』が発表された2020年、「ビヨンセが新曲を発表するたび、それはアート界の一大イベントとみなしてもよいほどだ」と記した。同作には注目すべきアート作品が随所に登場し、美術界の関係者も制作に参加している。ビヨンセはこれまでも著名なアーティストの作品をミュージックビデオに取り入れ、ジェイ・Zとともに黒人アーティストの重要なコレクションを築いてきた。

また、史上最も多くの賞を獲得したパフォーマーのひとりであるビヨンセは、アーティストとして歴代最多となる35回のグラミー賞受賞を誇る。ソロアーティストとして世界で2億枚以上のレコードを売り上げ、コンサートの興行収入でも史上有数の成功を収めてきた。Forbesは、その純資産を10億ドル(約1560億円)と推定している。

同館の館長兼チーフキュレーター、セルマ・ゴールデンは、今回の寄付について次のように感謝を表した。

「ビヨンセが自身の誕生日に、このような寛大な寄付をしてくださったこと、そしてスタジオ・ミュージアムが人々の生活のなかで果たしている重要な役割を認めてくださったことに、心から感謝しています」

さらに、同館はアートを取り巻く環境を変え、それが誰のためにあるのかを捉え直すことを目的に設立されたと説明。「今回の寄付によって、ハーレムの住民やニューヨーカー、そして世界中の人々に向けた活動を、さらに強化していくことができます」と述べた。

寄付金の具体的な使途については、現時点で明らかにされていない。(翻訳:編集部)

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