俳優復帰を控えるジョニー・デップ、中国で「画家」デビュー。初個展で「英雄、恋人、分身」を描く
新作映画『クリスマス・キャロル/3人のゴーストたち』の世界同時公開に先駆けて、ジョニー・デップの中国初個展が上海で開かれている。俳優として本格復帰を控えるデップが、「画家」として見せるもう一つの顔とは。

アメリカ合衆国元大統領のジョージ・W・ブッシュ、アカデミー賞主演男優賞を2度受賞したエイドリアン・ブロディ、そして十数回のグラミー賞受賞に輝くミュージシャンのジャック・ホワイトなど、心の奥底に「アーティスト志向」のあるセレブは少なくないようだ。その1人に、これまで3回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジョニー・デップがいる。
そのデップの中国初個展、「Johnny Depp: A Bunch of Stuff Presents Figures of the Fringe(ジョニー・デップ:周縁の人物像を描く作品群)」が現在、上海の現代美術館(MAM)で開催されている(12月13日まで)。
「A Bunch of Stuff」展が初めて行われたのは2024年、場所はニューヨークのギャラリー地区であるチェルシーの歴史的なビル(アートスペースではない)だった。このときアートネット・ニュースは、「デップの真の実力を証明し、芸術的才能が彼の身体の中を流れているのを示すこと」を目的とした展覧会だと報じている。
両手がハサミの人造人間を描いたファンタジー映画の主人公エドワード・シザーハンズをはじめ、史上最低の映画監督エド・ウッド、FBI潜入捜査官ドニー・ブラスコ、海賊ジャック・スパロウ、チョコレート職人ウィリー・ウォンカなど数多くの役柄を演じてきたデップが、人物像を制作の中心テーマに据えているのは不思議ではないだろう。今回の展覧会では、そうした作品が「英雄と偶像」、「恋人とミューズ」、「仮面と分身」などの切り口で紹介されている。
個展開催中の今年は、元妻の俳優アンバー・ハードが離婚を申し立て、デップの家庭内暴力(DV)を告発してから10年目にあたる。その後デップ側はDVを否定したが、泥沼化した訴訟で彼のキャリアは深刻な影響を受けた。裁判は2022年に結審し、両者に名誉毀損が認定されたものの、デップが1000万ドル(直近の為替レートで約15億8000万円)の賠償金を得たことから実質的には訴訟に勝利したと見なされている。
そして11月13日に控えているのが、デップが嫌われ者の守銭奴スクルージ役で主演する『クリスマス・キャロル/3人のゴーストたち』(パラマウント・ピクチャーズ)の世界同時公開だ。ニューヨーク・タイムズ紙によると、ハリウッド映画への本格復帰となる同作の予告編でデップは、「カメラ目線で『戻ってこられて嬉しいよ』としわがれ声で言い放つ」という。

報道資料によると、デップは個展に加え、中国を巡る「文化の旅」を計画している。それは、「厳選された文化体験や交流を通じて、中国の豊かな遺産や現代の創造性、多様な地域の伝統を探求する」旅で、歴史的な建造物や史跡から伝統工芸まで多様な側面に触れる予定だ。
なお、MAMの個展を指揮しているのは、同館の芸術監督シャイ・バイテル。バイテルはこれまで、マリーナ・アブラモヴィッチ、ボブ・ディラン、ザハ・ハディド、デイヴィッド・ホックニーといった大物アーティストの展覧会企画を手がけてきた。また、多様なアートサービスを提供する文化・芸術センター「マナ・コンテンポラリー」の発案者・共同設立者としても知られている。(翻訳:石井佳子)
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