アートウィーク東京期間中に必見のアートイベントTOP12:Tokyo Jazz Club、森万里子展、ガブリエル・オロスコの新プロジェクトetc.

東京の街を巡りながら、多彩なアートに出会う都市型の祭典「アートウィーク東京(AWT)」が11月8日まで開催中だ。都内に点在する55の美術館・ギャラリーが独自のプログラムを展開し、街を盛り上げる。今年は10カ所のアートスペースを舞台にした「買える展覧会」こと「AWT FOCUS」にも注目。編集部が選んだ、AWT期間中に見逃せない12の展覧会・アートイベントを紹介する。

青柳菜摘「有り得べき言葉、有り得べき世界」(MISA SHIN GALLERY)より、青柳菜摘《関係名デモンストレーション》展示風景 2025年、The WilloW、ソウル Photo by Minji Yi. © Natsumi Aoyagi, courtesy The WilloW, Seoul.

1. アリシア・クワデ「La Pêche miraculeuse」(Pace ギャラリー)

©︎ToLoLo studio
©︎ToLoLo studio
©︎ToLoLo studio
©︎ToLoLo studio

「ものを見る」感覚を揺さぶる

ドイツ・ベルリンを拠点とするアーティスト、アリシア・クワデは石や鏡、時計といった身近な物体を用い、時間や空間、現実の捉え方を問い直す彫刻やインスタレーションを制作してきた。本展では、新作の大小さまざまな彫刻と紙作品を組み合わせ、物体そのものと、その間に存在する空間や時間に目を向ける。

展示作品には、複数の溝を刻んだり、火の消えたタバコを突き刺した桃の彫刻が登場する。また、同じ石をガラスや大理石など異なる素材で表現し、鏡を介して配置したシリーズでは、一つの物体が素材や反射によって異なる姿を見せる。砂時計を思わせる金属のパーツで石を支えた彫刻や、文字盤と秒針が逆方向に動く時計も展示。見慣れた物の姿や時間の流れにわずかなずれを生じさせることで、私たちが当然と考えている現実の見え方を揺さぶる。

アリシア・クワデ「La Pêche miraculeuse」
会期:10月29日(木)〜12月25日(金)
場所:Pace ギャラリー(東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズガーデンプラザA 1-2F)
時間:11:00~20:00(日曜は18:00以降、それ以外の曜日は19:00以降はアポイントメント制)
休館日:月曜


2. フィリップ・パレーノ「4 Freestanding Walls」(タロウナス)

フィリップ・パレーノ《この場所、あの空》展示風景 2024年、ポーラ美術館、箱根
Photo by Andrea Rossetti. © Andrea Rossetti.
フィリップ・パレーノ《この場所、あの空》展示風景 2024年、ポーラ美術館、箱根
Photo by Andrea Rossetti. © Andrea Rossetti.

フィリップ・パレーノが「光」で問い直す

フランスのアーティスト、フィリップ・パレーノによる個展。パレーノは映像や音、光、建築的な要素などを組み合わせ、鑑賞者が作品と向き合う環境そのものを変化させる作品で知られる。映像やインスタレーションを通じて、作品の内容だけでなく、展示空間や時間の経過、鑑賞者の知覚にも働きかけてきた。

本展では「光」が、展示空間を形づくる。パレーノを代表するシリーズのひとつである「マーキー」(照明を備えた看板状の立体作品)と、同じく照明を用いた「Happy Ending」シリーズを紹介する。もうひとつの見どころは、クリスマスツリーを模した立体作品だ。クリスマスには特別な役割や意味を与えられるモミの木も、その季節を過ぎれば、ただ光を放ち続ける存在となる。祝祭との結びつきによって存在の意味が変わるこの作品には、パレーノが探究してきたアイデンティティの不確かさ、時間、光という主題が重なり、私たちが当たり前とするものの見方を問い直す。

フィリップ・パレーノ「4 Freestanding Walls」
会期:10月30日(金)〜11月28日(土)
場所:タロウナス(東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル4F)
時間:11:00~18:00
休廊日:日曜、月曜


3. 「森万里子:燦燦(さんさん)」(森美術館)

森 万里子
《巫女の祈り》
1996 年
ビデオ
4 分 42秒
森 万里子
《ピースクリスタル》
2016-2024 年
クリスタルガラス、ダイクロイック・コーティング、ステンレススチール、太陽光採光システム
「ひまわり」
167.5×φ101 cm
Courtesy:Faou 財団(ニューヨーク)
展示風景:パラッツォ・コルネル・デッラ・カ・グランダ(イタリア、ベネチア)、2024年
撮影:マルタ・ブソ
森 万里子
《Wave UFO》
1999-2002 年
脳波インターフェース、ビジョンドーム、プロジェクター、コンピュータシステム、グラスファ
イバー、テクノジェル、アクリル、カーボンファイバー、アルミニウム、マグネシウム
528×1134×493 cm
展示風景:「Wave UFO」ブレゲンツ美術館(オーストリア)2003 年
撮影:リチャード・リーロイド
森 万里子
《トムナフーリ》
2006 年
ガラス、ステンレス、LED、リアルタイム制御システム
327×115×40 cm
撮影:リチャード・リーロイド
画像提供:SCAI THE BATHHOUSE(東京)

森万里子が探る、宇宙と人間の繋がり

森万里子は彫刻や映像、インスタレーションなどを通じて、科学技術や宇宙、仏教思想、あらゆる生命の繋がりといったテーマを探求してきた。初期の作品では自身がサイボーグに扮する写真や映像を発表し、その後は先端技術や自然の形態を取り入れた大規模なインスタレーションへと表現を広げている。

本展では、これまでの代表作を含む40点の作品を通じて、森が長年取り組んできたテーマを紹介する。光や宇宙的なイメージを用いた作品では、人間の存在を地球上の生命や、より大きな宇宙の時間のなかに位置づける視点が示される。テクノロジーと精神性を組み合わせる森の実践をたどりながら、科学的な世界観と古くからの思想の交差性に目を向ける。

「森万里子:燦燦(さんさん)」
会期:10月31日(土)〜2027年3月28日(日)
場所:森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F)
時間:10:00 〜 22:00(火曜日は 17:00 まで、入場は30分前まで)
休館日:会期中無休


4. Tokyo Jazz Club(旧ナインアワーズ大手町)

Maurizio Cattelan《Brothers (2025)》 Courtesy of Artist and Three Star Books
Arthur Jafa 《Structural Mutiny _ Prince》2025. Video still. Courtesy of Arthur Jafa and Sadie Coles Gallery.
Chen Wei, Trouble City #250504, 2025. Image courtesy of Chen Wei and Blindspot Gallery. © Chen Wei.
田名網 敬一 《Commercial War》1971. Video still. Courtesy of Artist and Nanzuka. © Keiichi Tanaami
村本剛毅 《Imagraph (Series)》2020 - Courtesy of Goki Muramoto.
Tokyo Jazz Club 会場。 Photo: Carmen Molina

旧カプセルホテルで展開する、 没入型アートイベント

スイス・バーゼルで2022年に設立された「Basel Social Club(BSC)」は、アート・バーゼルの開催時期に合わせて、展覧会やパフォーマンス、音楽、食を組み合わせたイベントを開催してきた。Basel Social Clubの共同創設者のうちのふたりが、新たに独立したプロジェクトとして立ち上げたのが「Tokyo Jazz Club」だ。初開催となる今回は、アートウィーク東京(AWT)と連動し、11月8日まで東京・神田錦町の旧カプセルホテルを会場に展開している。

館内の8フロアにはそれぞれ異なるテーマが設けられ、作品展示のほか、コンサートやDJセット、リスニングセッション、トークなどが展開する。映像作品やインタラクティブな作品、音楽を聴くためのラウンジなど、フロアごとに異なる構成も見どころだ。即興や協働を重視するジャズの考え方を、音楽に限らず幅広い表現の方法として捉え、鑑賞と音楽体験、交流が一体となるプログラムだ。

Tokyo Jazz Club
会期:11月1日(日)〜11月8日(日)
場所:旧ナインアワーズ大手町(東京都千代田区神田錦町3-11-15)
時間:11月1日(日)・3日(火)・7日(土)は14:00 〜 23:00、11月2日(月)・4日(水)〜6日(金)は17:00 〜 23:00、11月8日(日)は14:00 〜 18:00
休館日:会期中無休


5. 【AWT VIDEO】「あなたのための旅行ガイド」(アース・ガーデン)

大木裕之《松前君の絵日記》1988年
© Hiroyuki Oki, courtesy Anomaly, Image Forum, and Okiiki.
伊波リンダ《Modern Contradiction》2026年
©️ Linda Iha, courtesy Misa Shin Gallery.
カンディス・ウィリアムズ《A Travel Guide: Black Gothic in South Korean Horror》2025年
© Kandis Williams, courtesy the artist and Heidi.
ケン・オキイシ《Brian at Home》2020–25年
© Ken Okiishi, courtesy Take Ninagawa.
X・ジュー=ノウェル|X Zhu-Nowell
キュレーター、ライター、インスティテューショナル・プラクティショナー。Photo by Sokol

映像作品を通して、旅と場所の意味を考える

アートウィーク東京の映像プログラム「AWT VIDEO」。2026年のテーマ「あなたのための旅行ガイド」は、旅や移動を単なる空間の移動としてではなく、人々の経験や歴史、社会の仕組みを通じて絶えず生成されるものとして捉え、私たちが世界を理解する枠組みを映像表現から見つめ直す。

参加作家には、リンダ・イハ、ウー・ツーシー、カンディス・ウィリアムズ、大木裕之、ケン・オキイシ、高田冬彦、田名網敬一、シャンユー・ホー、山本篤、シュビギ・ラオらが名を連ねる。日記や反復される旅、日常の習慣、ドローイング、デジタルインフラなど、多様な題材を扱う作品を通じて、場所と結びついた記憶や歴史、目に見えにくい社会の構造が浮かび上がる。

AWT VIDEO「あなたのための旅行ガイド」
会期:11月4日(水)〜11月8日(日)
場所:三井住友銀行東館1階「アース・ガーデン」(東京都千代田区丸の内1丁目)
時間:10:00~18:00
休館日:会期中無休


6. 【AWT FOCUS】「逆立つ翼のパッチワーク」(ウェイティングルーム)

Multiple Spirits《ダンジョンは生ける光の陰影へ》2025年 「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」展示風景 2025–26年、森美術館
Photo by Takashi Fujikawa
〇九一四《朱門解体》2024年
Photo by rajiogoogoo
「逆立つ翼のパッチワーク」ロゴ 2026年
Courtesy Multiple Spirits
遠藤麻衣《いつでもルナティック》2024年
Photo by Yuki Moriya
「eyes of universe」店内の様子 2025年、金沢
イ・ジュヨン《Let’s Walk and Chat Together: Yokohama Chapter–What made me do what I did: A personal journey inspired by anarchist Kaneko Fumiko–》2012/2026年

ZINEから映像まで、多様な表現が交差するグループ展

アートウィーク東京の特別プログラム「AWT FOCUS」の一環として開催。日本発のクィア・フェミニズム系アートZINEを制作するMultiple Spirits(マルスピ)がキュレーションを手がけるグループ展。国内外のアーティストによる多様な実践を紹介する本展では、タペストリーや染め物などの布作品、版画やZINEといった複製物、映像作品の上映など、さまざまなメディアを取り上げる。展示に加え、関連グッズを販売するショップやイベントも展開される。

参加作家は、eyes of universe、イ・ジュヨン、遠藤麻衣、マーコス・クエ、rajiogoogoo、〇九一四、ステファニー・ミサ。異なる形式や背景を持つ作品を一つの枠組みに収めるのではなく、複数の表現を並置することで、それぞれの実践が交差する場をつくる。展覧会、出版物、グッズ、イベントを横断する構成が特徴的で、作品の展示と、それを取り巻くコミュニティや発信のあり方をあわせて紹介する。

「〈AWT FOCUS〉逆立つ翼のパッチワーク」
会期:11月4日(水)〜12月20日(日)
場所:ウェイティングルーム(東京都文京区水道2-14-2 長島ビル1F)
時間:12:00〜19:00(日曜は17:00まで)
休廊日:月曜、火曜、祝日


7. 【AWT FOCUS】「メアリー・ウェザーフォード:Komorebi」(思文閣銀座)

メアリー・ウェザーフォード《(タイトル未定)》2024年 Photo by Frederik Nilsen. Courtesy Shibunkaku and Galerie Frank Elbaz.
メアリー・ウェザーフォード《(タイトル未定)》2024年 Photo by Frederik Nilsen. Courtesy Shibunkaku and Galerie Frank Elbaz.
メアリー・ウェザーフォード《Summer Sounds》2024年 Photo by Frederik Nilsen. Courtesy Shibunkaku.

雁皮紙、貝殻、ネオンで描く光の変化

アメリカの抽象画家メアリー・ウェザーフォードによる日本初個展。ウェザーフォードは約30年にわたる制作活動を通じて、絵画にネオン管や異素材を組み合わせる表現を展開してきた。本展は、思文閣とパリのgalerie frank elbazによる共同企画として開催される。キュレーションは、ロサンゼルス現代美術館(MOCA)の元館長ジェレミー・ストリックが担当。

展示では、2024年に雁皮紙と天然樹脂を用いたシェラックインクで制作した作品に加え、貝殻を取り入れた新作絵画や、作家を象徴するネオン作品を紹介する。紙の表面に広がるインクの跡、絵画に組み込まれた貝殻、ネオンが放つ光は、それぞれ異なる素材の性質を際立たせる。展覧会タイトルの「Komorebi」に沿って、光が遮られたり、揺らいだりする様子を思わせる作品群を通じて、ウェザーフォードの絵画表現を紹介する。

メアリー・ウェザーフォード「Komorebi」
会期:11月4日(水)〜11月21日(土)
場所:思文閣銀座(東京都中央区銀座5-3-12)
時間:10:00〜18:00
休廊日:11月15日(日)


8. 【AWT FOCUS】「エリカ・ヴェルズッティ:彫刻の肖像」(ミサコ&ローゼン)

エリカ・ヴェルズッティ《Study for Dog Sculpture》2025年 Photo by Eduardo Ortega. Courtesy the artist and Fortes D’Aloia & Gabriel, São Paulo/Rio de Janeiro.
エリカ・ヴェルズッティ「Sculptures Last Night」展示風景 2025年、Hôtel Balzac、パリ Photo by Nicolas Brasseur. Courtesy the artist and Fortes D’Aloia & Gabriel, São Paulo/Rio de Janeiro.
エリカ・ヴェルズッティ《Sex Scene》2025年 Photo by Nicolas Brasseur. Courtesy the artist and Fortes D’Aloia & Gabriel, São Paulo/Rio de Janeiro.

彫刻とドローイング、その往復から生まれる形

ブラジル出身のアーティスト、エリカ・ヴェルズッティはブロンズやコンクリート、陶器、布など多様な素材を用いて彫刻を制作してきた。身近な物や有機的な形を思わせる造形を組み合わせ、素材の違いや形の変化を通じて、彫刻というメディアの可能性を探っている。

本展は2025年にパリのホテルの客室で開催した展示を起点に、ドローイングから発展した油彩のモノプリントを紹介する。作家はドローイングを、彫刻の「事後」や「死後の生」と捉えている。すでに誰かの手元や新たな場所へと渡った彫刻の肖像や情景を描き出す作品群は、愛着あるものとの時間を引き延ばそうとする試みでもある。

「〈AWT FOCUS〉エリカ・ヴェルズッティ:彫刻の肖像」
会期:11月4日(水)〜12月6日(日)
場所:ミサコ&ローゼン(東京都大田区大森西4-15-9)
時間:水〜土 12:00〜18:00、日 12:00〜17:00
休廊日:月曜、火曜、祝日


9. 【AWT FOCUS】「青柳菜摘:有り得べき言葉、有り得べき世界」(ミサシンギャラリー)

青柳菜摘《関係名デモンストレーション》2025年 Photo by Minji Yi. © Natsumi Aoyagi, courtesy The WilloW, Seoul.
青柳菜摘《関係名デモンストレーション》展示風景 2025年、The WilloW、ソウル Photo by Minji Yi. © Natsumi Aoyagi, courtesy The WilloW, Seoul.
青柳菜摘+細井美裕《新地登記簿》2024年 © Natsumi Aoyagi + Miyu Hosoi, courtesy NTT InterCommunication Center, Tokyo.
青柳菜摘+細井美裕《新地登記簿》展示風景 2024年、NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京 Photo by Keizo Kioku. © Natsumi Aoyagi + Miyu Hosoi, courtesy NTT InterCommunication Center, Tokyo.

言葉と記録から、人間と土地の関係を問い直す

青柳菜摘は、映像や詩、音などを用いて、記録や言葉によって世界を捉えることの可能性を模索してきた。本展では、土地の登記簿や日本の戸籍制度を手がかりに、何が記録され、誰が、あるいは何がその枠組みからこぼれ落ちるのかを問い直す。人間同士の関係にとどまらず、人間以外の存在や土地との繋がりにも目を向け、既存の制度では捉えきれない関係のあり方を探る。キュレーションは、ソウルを拠点に活動するシン・ジェミン。

展示の中心となるのは、東京湾の埋め立て地を題材とした《新地登記簿》(2024)と、戸籍制度を起点に関係性の記録を考察する《関係名デモンストレーション》(2025)。映像や詩、環境音、AI生成画像などを組み合わせ、記録された事実と想像によって生まれる世界を交差させる。土地や人の関係を分類し、定義する制度に対し、青柳はフィクションや詩的な想像力を通じて、別様の関係や世界を思い描く可能性を提示する。

「〈AWT FOCUS〉青柳菜摘:有り得べき言葉、有り得べき世界」
会期:11月4日(水)〜12月5日(土)
場所:ミサシンギャラリー(東京都港区南青山6-12-3 南青山ユニハイツ1F)
時間:12:00~19:00
休廊日:日曜、月曜、祝日


10. 【AWT FOCUS】「日本国憲法展 2026」(青山|目黒・無人島プロダクション)

「日本国憲法展2024」展示風景 2024年、無人島プロダクション、東京
MES《サイ/SA-I》2021年 Photo by Takehiro Goto.
高田冬彦《JAPAN ERECTION》2010年
藤元敬二「Forget-me-not」展示風景 2019年

憲法を切り口に、社会と表現の関係を考える

日本国憲法をテーマに、国内外のアーティストが作品を通じて社会との関係を探る「日本国憲法展 2026」。シリーズ第4回となる今回は、青山目黒と無人島プロダクションの2会場で開催される。企画を手がけるのは、太平洋・アジアの歴史や文化を専門とする早稲田大学教授のグレッグ・ドボルザークと、映像・写真表現を軸に活動する小野賢。アートウィーク東京(AWT)の参加企画として、アート・バーゼルとの提携や文化庁の特別協力のもと、憲法が掲げる理想と、私たちが暮らす社会の現実との隔たりに目を向ける。

東京東部に位置する無人島プロダクションでは「シェルター」をテーマに、困難な状況のなかで生き延び、居場所をつくり出す人々の力を取り上げる。一方、西部の青山目黒では「スウェットショップ」を切り口に、労働や身体、土地をめぐる権力関係を見つめる。異なるテーマを掲げる2会場を巡りながら、国内外の作家たちの作品を通じて、自由や権利、そして憲法が私たちの日常とどう結びついているのかを考える。

「〈AWT FOCUS〉日本国憲法展 2026」
会期:11月4日(水)〜11月29日(日)
場所:青山|目黒・無人島プロダクション(東京都内)
時間:11月4日〜8日 10:00〜18:00、11月9日以降は金曜・月曜 13:00〜19:00、土日祝 12:00〜18:00
休廊日:火水木(11月4日〜8日は無休)


11. Project O+O: Gabriel Orozco at HIGASHI-YAMA Tokyo(HIGASHI-YAMA Tokyo)

ガブリエル・オロスコ《Satellite Tree》2026年 リネンキャンバスにテンペラ・金箔 200×200cm 画像提供:作家、kurimanzutto(メキシコシティ/ニューヨーク)Photo by Gerardo Landa / Eduardo López (GLR Estudio)
メキシコシティのオロスコ自邸:日本滞在時にオロスコが綴った日記、トイレットペーパーを用いた作品の習作、緒方デザインによるSゝゝ[エス]の灰皿

ガブリエル・オロスコが、レストランを作品の舞台に変える

メキシコ出身のアーティスト、ガブリエル・オロスコとデザイナーの緒方慎一郎によるプロジェクト「Project O+O」が、東京・東山のHIGASHI-YAMA Tokyoで開催される。オロスコは、日常の物や身近な環境に目を向け、彫刻や写真、ドローイング、インスタレーションなどを通じて、物の配置や空間の捉え方を探ってきた。本プロジェクトでは、緒方が手がけるHIGASHI-YAMA Tokyoを舞台に、会場の空間やそこでの体験と作品を結びつける。

レストランである会場には、新作《Satellite Tree》(2026)をはじめ、絵画や日用品を扱った作品などを展示。人が集い、食事や会話を交わす場所を、作品と出会うための空間として捉え直す。展示と飲食の体験を切り離さず、作品が置かれる環境や、そこで過ごす時間も含めてプロジェクトを構成している。作品の鑑賞は無料で予約不要。

Project O+O: Gabriel Orozco at HIGASHI-YAMA Tokyo
会期:11月6日(金)〜11月29日(日)
場所:HIGASHI-YAMA Tokyo(東京都目黒区東山1-21-25)
時間:11:00〜18:00
休館日:月火


12. MES「レイ/RE-I」(PARCO MUSEUM TOKYO)

MES。

渋谷の街に埋もれた歴史を、映像とパフォーマンスでたどる

アートウィーク東京のメインパーティーのプロデュースも手がけるMESによる個展。新井健と谷川果菜絵からなるMESは、2015年から現代美術とクラブカルチャーを軸に活動し、パフォーマンスやインスタレーションを制作してきた。都市空間にレーザーでメッセージを投影する「LASER WRI-/LIGH-TING」シリーズ(2018-2021)や、ロウソクの熱や光、身体が交差するパフォーマンス《WAX P-L/R-A-E-Y》(2024-)など、テクノロジーと身体を通じて都市や社会の変化に応答している。

本展では、「レイ」と読む言葉に複数の意味を重ね、渋谷の街に残された歴史を掘り起こす。映像インスタレーションを中心に、時間をかけて展開するパフォーマンスも紹介。音楽やファッションなど、多様なカルチャーが交差してきた渋谷を、街の表層だけでは見えにくい歴史の積み重なりから捉え直す。

MES「レイ/RE-I」
会期:10月24日(土)〜11月16日(月)
場所:PARCO MUSEUM TOKYO(東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 4F)
時間:11:00〜21:00(16日は18:00まで、入場は30分前まで)
休館日:会期中無休

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