今週末に見たいアートイベントTOP5:「六本木アートナイト」3年ぶりオールナイト開催、ウーゴ・ロンディノーネが日本初個展
関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

1. 「『ミス・サイゴン』から見る世界──戦争、難民、そして文学」(早稲田大学国際文学館・早稲田大学歴史館)
ベトナム戦争から難民文学へ、戦争が残した記憶を辿る
ミュージカル『ミス・サイゴン』(1989)を出発点に、ベトナム戦争の歴史と、戦争が人々の人生や文化表現に与えた影響をたどる。戦争末期のサイゴンや南北ベトナムの対立、アメリカの介入といった歴史的背景を振り返りながら、1975年のサイゴン陥落後、祖国を離れて移住した人々の経験にも目を向ける。舞台作品を通じて知られる物語と歴史的な出来事を重ね合わせ、戦争が個々人の人生に及ぼした影響を考える。
展示は、ベトナム戦争の歴史、『ミス・サイゴン』が描く愛と別れ、難民文学の3つのテーマで構成される。ヴェト・タン・ウェン、モニク・トゥルン、リン・ディン、ティー・ブイ、オーシャン・ヴオン、キム・チュイらの作品を通じて、戦争や離散の記憶、故郷の喪失、移住先での生活などのテーマを掘り下げる。世界各地で軍事紛争や人々の衝突が続き、難民の流出が深刻な課題となる現代において、歴史を振り返りながら、こうした問題を改めて見つめ直す機会となる。
『ミス・サイゴン』から見る世界──戦争、難民、そして文学
会期: 5月1日(金)〜11月8日(日)
場所: 早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)展示室、早稲田大学歴史館 企画展示室(東京都新宿区西早稲田1-6-1)
時間: 10:00〜17:00
休館日: 水曜、11月5日・6日
2. TOKAS Project Vol. 9「在ることの再演」(トーキョーアーツアンドスペース本郷)
5人の日韓アーティストが取り組む、記憶と身体の表現
トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)と韓国・ソウル市との交流20周年を記念して開催される本展は、一回性の生を現在の身体をもって呼び起す芸術の営みを「再演」という視点から捉える。参加はウン・ジェピル、キム・ドヒ、ク・ドンヒ、パク・ミンハ、三野新の5作家。彫刻、デジタルメディア、身体表現など多様な手法を使いながら、過去の出来事や個人の経験を現在の視点から捉え直し、記憶や存在のあり方を模索する。
三野新は、韓国の龍山米軍基地や戦後の占領期に関するリサーチをもとに戯曲を書き下ろし、石、鉄線、トラックを登場人物とするインスタレーションを展開する。さらにキム・ドヒによるおへそのモチーフを拡張した鐘の彫刻作品《Navel Strike》や、テクノロジーと人間の関係を扱うパク・ミンハの映像作品などが展示空間に広がる。
TOKAS Project Vol. 9「在ることの再演」
会期: 10月3日(土)〜11月8日(日)
場所: トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷2-4-16)
時間: 11:00〜19:00(入場は30分前まで)
休館日: 月曜
3. ジャム・セッション 石橋財団コレクション×藤井光 WHOSE LIGHT? —だれのひかりか(アーティゾン美術館)
「光」を手がかりに歴史と真理を問い直す
石橋財団コレクションと現代作家の作品を組み合わせ、両者の対話を試みる「ジャム・セッション」の第7回。今回紹介されるアーティストの藤井光は、綿密なリサーチやフィールドワークをもとに制作する映像やインスタレーションを通じて、歴史、権力、社会の構造を問い続けてきた。本展では、プラトンの『国家』第7巻に登場する「洞窟の比喩」と、その中心的なテーマである「光=真理」に着目する。光が何を照らすかではなく、誰が光を照らしているのかという問いから、真理や歴史が形づくられる仕組みを捉え直す。
石橋財団コレクションから選ばれたアルブレヒト・デューラー、坂本繁二郎、ジャクソン・ポロック、アルベルト・ジャコメッティらによる22作品に、歴史的な出来事や植民地主義などを扱う藤井の映像作品など約10点を組み合わせて展示する。
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×藤井光「WHOSE LIGHT? —だれのひかりか」
会期:10月24日(土)〜2027年1月31日(日)
場所: アーティゾン美術館 6階展示室(東京都中央区京橋1-7-2)
時間:10:00〜18:00(金曜は20:00まで。入場は30分前まで)
休館日: 月曜(11月23日、2027年1月11日を除く)11月24日、12月28日〜2027年1月4日、1月12日
4. ウーゴ・ロンディノーネ「静寂のかたち」(京都・清水寺 成就院)
京都の寺院とウーゴ・ロンディノーネ作品の共鳴
ウーゴ・ロンディノーネ(1964年スイス生まれ)は、自然や身体、時間をテーマに、彫刻や絵画、インスタレーションなどを手がけてきた。ニューヨークを拠点に活動し、石や木、光といった素材や自然の要素を取り入れながら、人間の存在と周囲の環境との関係を探る。ロンドンを拠点とするセイディ・コールズHQが主催する本展はロンディノーネの日本初個展となる。京都の清水寺にある成就院を会場に、寺院の建築や歴史、周囲の自然が作品と共鳴する構成だ。
会場には、石を積み重ねた人型の彫刻17点と、太陽を描いた絵画、僧侶をかたどった彫刻が展示される。石の人物像は、イヌイットが道しるべなどとして用いてきた石積みの「イヌクシュク」に着想を得たもの。僧侶、石の身体、太陽という3つのモチーフを、苔や木、水、光に囲まれた庭園に配置することで、身体と風景、鉱物と精神が交差する空間が広がる。
ウーゴ・ロンディノーネ「静寂のかたち」
会期:10月27日(火)〜11月12日(木)
場所: 清水寺 成就院(京都府京都市東山区清水1-294)
時間: 9:30〜17:00
5. 「六本木アートナイト 2026」(東京・六本木各所)
3年ぶりのオールナイト開催、約60プログラムが集結
六本木の街を舞台に、現代アートやパフォーマンスなどを展開する「六本木アートナイト」が、3年ぶりにオールナイトで開催される。2026年は、六本木ヒルズや東京ミッドタウン、国立新美術館、六本木商店街などを会場に約60のプログラムを実施。「RAN Focus」ではフランスを特集し、同国のアーティストによる作品やパフォーマンスを紹介する。美術館や文化施設に加え、商業施設や公共スペースなど、六本木の各所で作品を展開する。
主なプログラムには、回転する舞台装置や階段を使い、身体の動きと重力の関係を探るヨアン・ブルジョワ・アート・カンパニーのパフォーマンスや、白い風船を空間に配置するシャルル・ペティヨンのインスタレーションなど。また、オリヴィエ・グロステートは地域の人々と協力し、段ボールを使って高さ10メートルを超える建築作品も展開。会期中は日中の時間帯に公開されるインスタレーションのほか、夜から翌朝まで楽しめるプログラムもあり、時間を変えて街を巡りながら様々な表現に出会える。
六本木アートナイト 2026
会期: 10月31日(土)〜11月1日(日)
場所: 六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街ほか
時間: コアタイムは10月31日17:00〜翌6:00。インスタレーションは10月31日10:00〜11月1日22:00








































