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アーロン・I・フライシュマン(Aaron I. Fleischman)

拠点:アメリカ・フロリダ州マイアミビーチ、ニューヨーク
職業:投資家
収集分野:近現代アート

ハーバード大学ロースクールを卒業したアーロン・I・フライシュマンは、通信法専門の弁護士として35年にわたりワシントンD.C.で活躍した。現在はフロリダを拠点に投資家として活動している。

アートパトロンとして知られるフライシュマンは、名誉理事を務めるシカゴ美術館の拡張のため、2024年9月に7500万ドル(約110億円)を寄付した。美術館によれば、この寄付は「シカゴ美術館史上、唯一かつ最大の命名寄付」だという。計画では、19世紀から今日までのコレクションを収蔵する新館は、フライシュマンと配偶者のリン・ルーヒードの名を冠することになる。「この寄付で長年の夢が叶います」と、シカゴ美術館館長のジェームス・ロンドーはニューヨーク・タイムズ紙に語った。

フライシュマンはまた、ニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)の名誉理事でもあり、2018年にはMETの近現代アートのキュレーター職に対する寄付を行った。当時のMETの理事長兼CEOダニエル・H・ワイスは、「フライシュマン氏の寄付は、我われが20世紀および21世紀のアートを広く知らしめ、かつその研究を進めるための推進力になります」と述べている。そのほか、ニューヨークのホイットニー美術館理事や、ナショナル・ギャラリー(ワシントンDC)の展覧会支援などの経験もある。

彼の所蔵品は、1912年から現在までのアメリカやヨーロッパの近現代アートが中心だ。関係者によると、モンドリアン、ピカソ、カンディンスキー、デ・クーニング、ウォーホル、リキテンスタイン、マースデン・ハートリー、チャールズ・シーラーといった作家の最高レベルの絵画を数多く所有しているという。また、ドナルド・ジャッド、ブライス・マーデン、サイ・トゥオンブリー、エルズワース・ケリー、ルーチョ・フォンタナ、ロバート・ライマン、ロバート・ゴーバーなど、多様なアーティストによる、さまざまな時代の、異なるメディウムの作品を収集している(上記のシカゴ美術館への寄付に所蔵作品は含まれていない)。フライシュマンは、美術館関係者やコレクター、研究者などを自宅に招き、こうしたコレクションや壮大な邸宅を見学してもらうことを長年続けている。

注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2024年版トップ200コレクターズが発表された2024年10月時点の為替レートによる。

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