セシリエ・フレドリクセン、カトリーヌ・フレドリクセン(Cecilie Fredriksen and Kathrine Fredriksen)

拠点:イギリス・ロンドン
職業:海運業
収集分野:現代アート、戦後美術

ノルウェーの大富豪、ジョン・フレドリクセンを父に持つ双子の姉妹、セシリエとカトリーヌは、当然のことながら常にタブロイド紙や業界紙から注目される存在だ。2017年に英ザ・サン紙から「若くてパワフル、次世代の超リッチで有能なビジネスウーマン」と評されたフレドリクセン姉妹は、有名人の結婚式や豪華なパーティに登場しては話題を振り撒いていた。しかし2019年になると、姉妹が父親の所有する世界的海運企業から遠ざけられつつあるという噂が流れ、その華やかさに翳りが見え始めたという憶測が流れた。カトリーヌはこれを、「事実無根の単なるゴシップ」だと否定している。

フレドリクセン姉妹は近年、戦後美術や現代アートの重要作品を収集している。2019年、オスロ国立博物館は開館に向けた準備を進める中で、姉妹のコレクションから30点が同館に貸し出されることを発表。その中には、2018年にフィリップスのオークションで430万ドル(約6億2000万円)で落札されたケリー・ジェームズ・マーシャルの2014年の絵画《Untitled(Blanket Couple)》のほか、リネット・イアダム・ボアキエや草間彌生、ブルース・ナウマンの作品などが含まれている。2019年の発表には、オスロ国立美術館の研究・作品取得・展覧会開催などにも資金提供を行うことが含まれていた。これに対し、ノルウェーの美術批評誌の編集者は、「破滅的状況をもたらすものになるかもしれない」と、警戒感を表している。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。
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