何劍鋒(He Jianfeng)
拠点: 中華人民共和国・広東省仏山市順徳区
職業:投資家
収集分野:現代アート、中国の近現代アート
2020年初め、何劍峰は自らの故郷、中国・広東省仏山市の順徳区に私設美術館を開設すると発表し、話題を集めた。延床面積1万6000平方メートルの「和美術館」の設計は、プリツカー賞受賞の建築家、安藤忠雄が担当。創設ディレクターのシャオ・シュウは、以前は上海の龍美術館でキュレーターチームのトップだった人物だ。
和美術館は、中国の近代美術と世界の現代美術の展示を行い、特に19世紀末に生まれた中国の嶺南派に光を当てている。シャオはUS版ARTnewsの取材に対し、「和美術館は、中国の芸術や文化を軽視しがちな他の現代美術館とは一線を画す存在になることを目指しています。この地のアートの生態系を変え、地元のアーティストにより多くの機会と可能性を提供したいのです」と答えている。
また、和美術館では展覧会だけでなく、グローバルな文脈から見た中国近現代美術の研究、教育、奨学金の創設にも注力している。シャオはその点についてこう説明した。「和美術館が地域にとけこみ、地元の人々が自分たちのものとして誇りに思える場所になることを望んでいます。美術館は全ての人に開かれたもので、そこでは誰もが自分なりの楽しみ方ができるのです」
当初は2020年3月の予定だった開館は、コロナ禍で10月に延期された。2020年8月、何劍峰はUS版ARTnewsに、コロナ禍ではアート収集についてはほとんど考えなかったと語った。「美術館のために何人かのアーティストに制作を依頼しましたが、コロナ前とはすっかり環境が変わってしまったので、依頼の内容や規模を変更したものもありました」