ダキス・ジョアノー(Dakis Joannou)
拠点:ギリシャ・アテネ
職業:建設業
収集分野:現代アート

ダキス・ジョアノーが初めて購入したアート作品は、ジェフ・クーンズの《Equilibrium Tank》(1985)だった。透明なケースの中でバスケットボールが宙に浮いているように見えるこの作品を、ジョアノーは今も自分の最も貴重な財産だと考えている。のちに彼は、クーンズに全長35メートルの豪華ヨット、ギルティ号のデザインを依頼。2022年には、自らの財団がギリシャのイドラ島で行う展覧会でクーンズ作品を展示している。
ジョアノーが、アテネ北郊のネア・イオニアにデステ現代美術財団を設立したのは1982年。毎年恒例となっているイドラ島の展覧会は、アート界の重要人物が集まることで知られている。オンラインアート販売プラットフォームのArtsyによると、水着姿のフランク・ムーアやニューヨークのギャラリスト、マイク・イーガンのほか、ホイットニー美術館のアダム・ワインバーグ館長(当時)、有名アートディーラーのジェフリー・ダイチなどが、ギリシャの陽光が降り注ぐこの島で目撃されている。ただしこの展覧会は、島に行く費用さえあれば誰でも無料で見ることができる。
ジョアノーはUS版ARTnewsの取材に、財団はアーティストとの関係から生まれた副産物だと語っている。ニューヨークにあるニューミュージアムの理事を務める彼は、クーンズのほか、アシュリー・ビカートン、ロバート・ゴーバー、ウルス・フィッシャー、チャールズ・レイ、マウリツィオ・カテランなど約1500点の作品を所有している。