スティーブン・ラトナー、マイケル・ラトナー(Steven Latner and Michael Latner)
拠点:カナダ・トロント
職業:不動産業
収集分野:近現代アート
![](https://media.artnewsjapan.com/wp-content/uploads/2023/06/12031044/Latner_a1341cfad5.jpg)
スティーブン・ラトナーとマイケル・ラトナーの父は、不動産開発・売買でトロントにおけるトップクラスの財産を築いた故アルバート・ラトナーだ。カナダのグローブ・アンド・メール紙によると、アルバートはロースクール在学中に妻のテミーが妊娠したため、大学院を中退して義父が経営する小さな住宅建設会社のスタッフになったという。その後、同社を業界の有力企業に育て上げた彼は、政治活動にも積極的に取り組み、アートコレクターとして故郷のパブリックアートプロジェクトへの支援を惜しまなかった。
さまざまな事業や投資案件を抱えるラトナー家の持ち株会社の経営に携わるスティーブンとマイケルは、パーキンソン病との闘いの末2015年に亡くなった父親から約1000点のコレクションを受け継いだ。その中には、パブロ・ピカソ、アメデオ・モディリアーニ、アンリ・マティス、アレクサンダー・カルダー、ジョルジュ・ブラック、サルバドール・ダリといった大物作家が含まれている。また、トロントのオンタリオ美術館にある兄弟の名前を冠した展示室では、先駆的な構造映画(実験映画の形式)『波長』(1967)の監督として知られるカナダのアーティスト、マイケル・スノウの作品を公開している。
2019年のカナディアン・ビジネス誌は、ラトナー家の純資産を推定11億2000万ドル(約1635億円)とし、カナダの長者番付で93番目に位置すると伝えている。同年、マイケル・ラトナーは元パートナーのリサ・クリマンズと離婚をめぐる裁判となり、2020年の控訴審で10年間の扶養料支払いを命じられた。
注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2024年版トップ200コレクターズが発表された2024年10月時点の為替レートによる。