アレック・リトウィッツ、ジェニファー・ライシュナー・リトウィッツ(Alec Litowitz and Jennifer Leischner Litowitz)
拠点:アメリカ・イリノイ州
職業:投資家
収集分野:現代アート
アレック・リトウィッツは、イリノイ州に拠点を置く資産運用会社マグネター・キャピタルの創業者・CEO。シカゴ大学で法学博士と経営学修士を取得したリトウィッツは、ニューヨークのJ.P.モルガン、シカゴのシタデル・インベストメント・グループで金融界のキャリアを積んだ。トライアスロンに出場する熱心なスポーツマンでもあり、マサチューセッツ工科大学の学部生時代には、同大学でスカッシュの全米大会に出場した初の選手になっている。
シカゴ・ロヨラ大学の法学博士号を持つジェニファー・ライシュナー・リトウィッツは、著名レストラン、ギルドホールのクリエイティブ・ディレクターで、アレックと共同経営するリイマジンド・ホスピタリティ・グループのパートナー兼ディレクターでもある。また、リトウィッツ・ファミリー財団とノースウェスタン大学の理事を務めている。
シカゴ地域の主要なパトロンであるリトウィッツ夫妻は、2017年にジェニファーの母校であるノースウェスタン大学に1000万ドル(約14億5000万円)を寄付し、クリエイティブライティングと国語の修士号が取得できるリトウィッツ・クリエイティブライティング大学院プログラムを設立した。ちなみに、アレックの両親もノースウェスタン大学院卒の修士だ。
ジェニファーは、設立にあたっての声明でこう述べている。「今、これまで以上に、学生がクリエイティブライティングのスキルを身につけ、文学界に新風を吹き込むことが必要です。このプログラムを通じて、アレックと私は、さまざまな環境で育った学生たちに、クリエイティブライティングの表現法を知ってもらいたいと考えています」
ジェニファーはまた、シカゴ現代美術館(MCA)とシカゴ美術館のコミッティメンバーとして活動している。2022年にリトウィッツ夫妻は、MCAでのニック・ケイヴの回顧展に作品を貸し出したほか、ゾーイ・ルコフがキュレーションした巡回展「Skin in the Game」のシカゴ開催を支援した。
コレクション面で力を入れているのは、ケイヴ、シアスター・ゲイツ、ジェイコブ・ローレンス、シモーヌ・リーなど、有色人種の現代アート作家だ。夫妻はUS版ARTnewsのメールインタビューに、こう答えている。
「収集した作品とともに生活できることは、喜びをもたらしてくれますし、価値のあることです。美しい、あるいは考えさせられる絵や物に囲まれていると心が躍ります。コレクションを続けるのは、アーティストのクリエイティブな目を通して、私たち人間が抱く複雑な思いを理解し、味わうためです」