エウヘニオ・ロペス・アロンソ(Eugenio López Alonso)

拠点:アメリカ・ロサンゼルス、メキシコ・メキシコシティ
職業:飲料メーカー(グルーポ・ジュメックス)
収集分野:現代アート

メキシコの大手飲料メーカー、ジュメックスの後継者であるエウヘニオ・ロペス・アロンソは、メキシコ国内の現代美術展のほか、アメリカの大学やアートスクールのラテンアメリカ美術講座、アメリカの美術館でのラテンアメリカ美術関連プログラムなどを支援するアートパトロンとして知られている。

ロペスは1990年代半ばから本格的にコレクションを始め、収集した作品はメキシコシティ郊外にあるジュメックス社のジュース工場敷地内のスペースに飾られている。所蔵品は、ダグ・エイケン、オラファー・エリアソン、ガブリエル・オロスコなど約3000点で、作品の一部は世界各地の展覧会に貸し出されたり、メキシコシティのジュメックス美術館に展示されたりしている。なお、2013年に開館したこの美術館の設計を担当したのは、著名建築家のデイヴィッド・チッパーフィールドだ。

ロペスにはアートディーラーの経験もある。1993年、パートナーとともにカリフォルニア州ウェストハリウッドにチャック・ムール・ギャラリーをオープンし、2006年にロサンゼルス現代美術館(MOCA)の理事に就任するまで同ギャラリーを運営していた。現在はMOCAの副理事長を務めている。

ジュメックス美術館では、定期的に大型展が開催されている。2019年には、ロペスが理事を務めるニューヨークのニューミュージアムのアーティスティックディレクターであるマッシミリアーノ・ジオーニが企画したジェフ・クーンズとマルセル・デュシャンの2人展や、ライト&スペース・アート(*1)の代表的な作家として知られるジェームズ・タレルの新作を含む個展が企画された。

*1 1960年代から70年代にかけ、ミニマリズムと並行してロサンゼルスなど南部カリフォルニアで勃興したアートムーブメント。光と空間を制作の素材とする作品が生み出された。

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