ルイス・ノーヴァル(Louis Norval)

拠点:南アフリカ・ケープタウン
職業:不動産業
収集分野:アフリカの現代アート、南アフリカのモダンアート

2018年のアートニュースペーパー紙によると、ルイス・ノーヴァルとその家族は、20年にわたり収集してきた作品を基に、「アートを通じてどんな変化を社会にもたらすことができるか」を考え始めたという。ノーヴァルは同紙にこう語った。「南アフリカの社会には大きな穴が開いている。すなわち、芸術教育がとても不足しているのだ」。この思いが発展して実現したのがノーヴァル財団による私設美術館だ。

2018年にケープタウンにオープンしたこの施設は、彫刻公園と自然保護区を含めると約1900平方メートルの広さがあり、現在ではノーヴァルの個人コレクションと南アフリカ国内外の現代アートが展示されている。このプロジェクトは、アフリカ初の現代美術館であるツァイツ・アフリカ現代美術館と並んで、南アフリカのカルチャーシーンに欠かせない存在となった。ただし、ノーヴァルいわく、自分の私設美術館の土地を取得したのは、「ヨッヘン・ツァイツが美術館の開館を検討する前」だったという。

南アフリカ最大級の不動産投資会社Attfundの共同設立者であるノーヴァルは、アレクシス・プレラー、グラディス・ムグドランドル、ノリア・マバサ、ジャクソン・フルングワネ、ジェラルド・セコトといったアフリカ人アーティストの膨大なコレクションで知られる。美術史家のブルース・キャンベル・スミスが所有していた1920年代から2005年にかけての作品を、途方もない金額で手に入れたという話も伝えられている。ノーヴァル財団は、セコトやエドアルド・ヴィラの遺作のほか、プレラー全作品を所有している。ノーヴァルは、財団の理事会において自分の家族は「少数派」であり、「私のコレクションの展示を強要することはない」と話している。