ダニエル・オク(Daniel Och)

拠点:アメリカ・マイアミ
職業:投資家、フィランソロピスト
収集分野:近現代アート

世界有数のヘッジファンド・マネージャーとして名をとどろかせたダニエル・オクは、ヘッジファンド会社オク=ジフ・キャピタル・マネジメント・グループ(現スカルプター・キャピタル・マネジメント)のCEO兼会長を長年務めた人物だ。1994年に会社を設立してからの20年余に、彼は数々のスキャンダルに見舞われている。たとえば2008年、オクの会社がジンバブエの独裁者であるムガベ大統領にプラチナ採掘権として1億ドル(約145億円)の裏金を渡していたことが明るみに出た。同社は最終的に、4億1200万ドル(約597億円)の罰金を科されている。

オクと妻のジェーンは、ユダヤ教関連の活動や医療施設、ロビン・フッド財団に助成金を提供する財団を立ち上げた。米フォーブス誌によると、オクの財団は少なくとも3億5000万ドル(約507億円)の基金がある。財団を創設すると、彼はヘッジファンド会社の会長を退き、現在はニューヨーク近代美術館の理事を務めている。

2019年、オクはマンハッタンのセントラルパークウエストにあるペントハウスを5750万ドル(約83億円)で売り出した。その数カ月後、彼はセントラルパークサウスに新しく建設されたタワーに新しいアパートメントを9500万ドル(約138億円)で購入。この金額は、マンハッタンでも最高レベルとされている。なお、マンション・グローバル誌によると、オクが2008年にセントラルパークウエストのアパートメントを購入したときの価格は、約2200万ドル(約32億円)だったという。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。