ダーリーン&ホルヘ・ペレス(Darlene and Jorge M. Pérez)

拠点:アメリカ・マイアミ
職業:不動産開発(The Related Group)
収集分野:現代アート(主に中南米、アメリカ、アフリカ)

2013年、マイアミ美術館の名称が不動産王ホルヘ・M・ペレスにちなんでペレス美術館マイアミに改名され、物議を醸した。2011年に彼が4000万ドル(約58億円)と多数の作品をマイアミ美術館に寄贈し、名称変更の条項付きの契約を結んだときには、複数の理事が抗議のために辞任した。しかし今では、ペレス美術館はマイアミの有名観光スポットになっている。2016年にもペレスは、1500万ドル(約22億円)と200点の作品を美術館に寄贈した。

ブエノスアイレス生まれのペレスは、同美術館以外にもマイアミのアートシーンに多大な貢献をしている。2019年に約2600平方メートルもの展示スペース「エル・エスパシオ23」の開設計画を明らかにし、2020年に「変革の時」と題された展覧会で同スペースをオープン。展覧会では、ドリス・サルセドを始め、アイ・ウェイウェイ、アレハンドロ・カンピンス、ラシッド・ジョンソン、リクリット・ティラヴァーニャなど80人のアーティストの作品が展示された。マイアミのアラパタ地区ノースウェスト23丁目に位置することから「23」と名付けられたこのスペースは、アーティストレジデンス用に3棟のアパートメントと共有スタジオも備えている。「このプロジェクトは40年の歳月をかけて実現したものだ。来場者が自分の世界観を超えて物事を考えることができるような刺激を与え、問題提起をする。同時に、将来のアーティストやキュレーターを育てたい」とペレスは語った。

フロリダのリレイテッド・グループを率いるペレスは、この地域で8万戸以上のコンドミニアムを開発したと言われ、ラテンアメリカ美術を中心に、ロベルト・マッタ、フリーダ・カーロ、フランク・ステラ、ディエゴ・リベラ、ヘレン・フランケンサーラー、ジョアン・ミッチェルなど、近現代アーティストの作品を2000点以上所有している。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。
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