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ジャデ・ファドジュティミがガゴシアン移籍の理由を語る。「もう母親は必要じゃなくなった」

現在、最も注目を集める若手画家の一人であるジャデ・ファドゥジュティミ。今週、彼女の人となりやその成功を掘り下げる記事が、アメリカのニューヨーカー誌に掲載された。この記事の中でファドゥジュティミは、育ての親と言えるロンドンのギャラリーを離れ、ガゴシアンに移籍した理由などを語っている。

Jadé Fadojutimi
アーティストのジャデ・ファドジュティミ。Photo: Dave Benett/ Getty Images for Make-A-Wish UK

今週、アメリカのニューヨーカー誌は、今最も注目を集める若手画家の一人であるジャデ・ファドゥジュティミのインタビューを掲載した。レベッカ・ミードが執筆したその記事の中で彼女は、自身を有名にしたロンドンのギャラリー、ピッピ・ハルズワース・ギャラリーを離れ、2022年に超大型ギャラリーのガゴシアンに移籍した理由を「より多くのリソースを確保するため」だと語っている。

現在31歳の彼女はその背景として、ハルズワースには小さい規模ならではの親密さがあったが、ゆえに「あまりにもパーソナル」で、「私はもう母親を必要としなかった」と振り返る。

しかし、ハルズワース在籍時から、すでにファドジュティミは上昇気流に乗っていた。2021年10月、ロンドンのフィリップスで行われたオークションで、彼女の絵画は推定価格の15倍にもなる120万ポンド(現在の為替で約2億3700万円)で落札されたが、これは20代の画家にとっては驚異的な金額だった(今年現在の彼女のオークション最高落札価格は200万ドル、約3億円だ)。

ミードによれば、ハルズワースは「彼女の作品をコレクターや美術館に精力的に紹介し、世界中のギャラリストたちと結びつけた」という。こうしたギャラリーの努力もあり、ファドゥジュティミは2021年にマイアミ現代美術館で個展を開催するに至ったほか、ガゴシアンへの移籍発表の数カ月前には、2022年のヴェネツィア・ビエンナーレにも参加している。

一部の人々は彼女に対し、そのあまりにも急で大きな成功に警鐘を鳴らした。現在も彼女の代理人を務めるドイツ人ディーラーのギゼラ・カピタイネンもその1人で、ニューヨーカー誌の記事の中で、カピタイネンもファドゥジュティミに同様の警告をしたと振り返るが、「ファドゥジュティミは、自分ならうまくやれると確信していた」と語っている。

現在もガゴシアンに所属するファドゥジュティミは、最近、ニューヨークで新作絵画を発表した。彼女の作品はいつものように、アクリルと油絵具の両方を用いた大型絵画で、鮮やかな色彩と大胆な筆遣い、そして植物や風景を思わせる抽象的かつ象徴的なイメージだった。

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