ケイティ＆アムノン・ロダン（Katie and Amnon Rodan）

おそらく世界で最も裕福な皮膚科医の1人であろうケイティ・ロダンが、長年のビジネスパートナーであるキャシー・フィールズと出会ったのは、2人がスタンフォード大学医学部で研修医を終えた1980年代のことだった。2000年代初めにはアメリカ有数のスキンケアブランドとなったニキビケア用品、プロアクティブ・ソリューションの開発を始めたのもこの頃だ。1995年にはガシー・レンカー社から発売され、インフォマーシャルや有名人の推薦で販売を拡大した。

2000年にロダンとフィールズは、エイジングによる肌の悩みを解決するため、別事業のロダン＋フィールズに着手。その製品は2002年に百貨店で発売された。「皮膚科学に裏付けられたスキンケアによって、人生最高の肌から得られる自信を体験してもらいたいのです」と、2人は自社ウェブサイトで語っている。ロダン＋フィールズはいったんエスティローダー・カンパニーズに買収されたが、2007年に2人は同事業をエスティローダーから買い戻し、マルチレベルマーケティング（ネットワークビジネス）モデルで再出発させている。

2018年、プライベートエクイティ会社のTPGがロダン＋フィールズの株式を評価額40億ドル（約5800億円）で取得。米フォーブス誌はそのとき、「完璧な肌の起業家たちがそれぞれ億万長者になった」と伝えた。同誌はその後、ロダン＋フィールズの売上高が2020年10月までに16億ドル（約2320億円）から13億ドル（約1885億円）まで落ち込んだことを報じている。コロナ禍が、同社の連鎖販売取引モデルに影響を与えたためだと思われる。フォーブス誌の推定によると、2021年10月現在のロダンの資産は6億7500万ドル（約980億円）で、ピークだった2019年の15億ドル（約2200億円）から大きく減少している。

ロダンの夫アムノンは、ロダン＋フィールズの会長で、フィランソロピー事業の理事長も務めている。2018年5月、夫妻は2人の子ども、エラナとダニエラとともにロダン・ファミリー財団を設立。2035年までに資金を使い切ることを目指しているという。アムノンは現在、コロラド州のアスペン美術館の共同会長も務めている。