ロビ&ブルース・E・トール(Robbi and Bruce E. Toll)

拠点:アメリカ・フロリダ州パームビーチ、ペンシルベニア州ライダル
職業:高級住宅建設販売(Toll Brothers)
収集分野:20世紀の彫刻と絵画、アメリカ美術、エリザベス朝・ジャコビアン時代の絵画、印象派・ポスト印象派

トール夫妻は、印象派・ポスト印象派のコレクターとして、アメリカではトップクラスの存在だ。兄のロバートとともに高級住宅の建設で財を成したブルース・トールは、妻のロビと2人でかなりの資産を美術品に費やしている。2人が長年にわたり収集しているのは、エリザベス朝やジャコビアン時代の絵画、印象派やポスト印象派、20世紀の彫刻、アメリカ美術の代表作などだ。

ブルースはフィラデルフィア美術館の理事、ロビはフィラデルフィアの国立アメリカ・ユダヤ歴史博物館の理事を務め、アルフレッド・C・バーンズのコレクションを管理するフィラデルフィアのバーンズ財団で展示されている美術品などにも資金を提供している。

US版ARTnewsが、所蔵する200点の中で最も価値のある作品は何かと尋ねたところ、夫妻はギュスターヴ・カイユボットの1878年の作品《Baigneurs appretant à plonger, bords de l'Yerres》を挙げた。この絵には水泳をする少年たちが描かれ、1人は今にも水に飛び込もうとしているように見える。夫妻が手に入れる1年前、71万ドル(約1億300万円)という最高予想落札額のついたこの作品は、オークションでの売買が成立しなかった。なお、その5年前の1987年には、クリスティーズ・ロンドンで63万4000ドル(約9200万円)で落札されている。ちなみに、カイユボット作品では、2022年2月に《Chemin montant》(1881)が、クリティーズ・ロンドンで2220万ドル(約32億円)で最高落札額を更新した。


注:記事中の円換算額は、US版ARTnewsで2022年版トップ200コレクターズが発表された2022年10月時点の為替レートによる。
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