葉曉甄(ジェニー・イエ/Jenny Yeh)

拠点:台湾・台北
職業:建設業、フィランソロピスト(文心藝所/Winsing Art Place)
収集分野:現代アート

2019年、葉曉甄は台北に文心藝所(ウィンジン・アート・プレイス)を設立。この非営利スペースでは、彼女自身のコレクションのほか、他のトップコレクターから貸し出された作品を展示している。台湾の建設会社、文心建設の経営に関わった経験のある葉は、同社の事業と文心藝所のシナジーを狙っているという。

2020年、英フィナンシャル・タイムズ紙に葉はこう答えている。「アートを収集する上で最も重要なのは、共有すること。私が文心芸術基金を設立したのはそのためです。現代アートは、社会に対して従来にない視点を提供します」。そんな彼女が、文心藝所の設立にあたって自らのコレクションから展示したのは、ダグ・エイケンの《Desire》(2017年)だった。

葉のコレクションには、ヤン・ヴォー、アリシア・クワデ、ミリアム・カーン、モナ・ハトゥム、ダミアン・ハースト、イェッペ・ハイン、ピエール・ユイグ、ヴォルフガング・ティルマンスなど、現在最も注目されているアーティストの作品が並ぶ。台湾人アーティストでは、李明維(リー・ミンウェイ)、沈金源(チェン・チンユアン)、何采柔(ジョイス・ホー)、謝牧岐(シェ・ムーチー)の作品を所有している。

葉がフィナンシャル・タイムズ紙に語ったところによると、世界トップクラスのアートイベントにできる限り参加し、自分のコレクションの国際性を保ちたいと考えているという。彼女の国際性はまた、ロンドンのテートで所蔵品取得委員を務め、パリのポンピドゥー・センターのインターナショナル・サークルや東京の森美術館で活躍していることにも表れている。