ベルナルド・ゴメス・マルティネス(Bernardo Gómez Martínez)
拠点:メキシコ・メキシコシティ
職業:メディア企業(グルーポ・テレヴィサ)
収集分野:現代アート
ベルナルド・ゴメス・マルティネスは、メキシコシティに本拠を置くグルーポ・テレヴィサの取締役副社長。現場主義者の彼は、スペイン語圏で有数のメディア企業であるテレヴィサ全体のコンテンツ編集権を握り、政府への窓口を自分に集中させている。実際、過去2回のメキシコ大統領選挙では、選挙報道を独占するテレヴィサ側の窓口として全てを取り仕切った。さらに彼は、同社の法務部門を管轄する責任者でもある。
ゴメス・マルティネスは、メキシコ国立ラジオ・テレビ産業会議所の会長も務め、1960年代に制定され、デジタルメディアを制限していた古い規制の撤廃に尽力。また、前CEOエミリオ・アスカラガ・ミルモの死後、29歳でテレヴィサのCEOを継いだ息子のエミリオ・アスカラガ・ジャンの右腕でもある。アスカラガ・ジャンとゴメス・マルティネスが、同僚のホセ・バストン、アルフォンソ・デ・アンゴイティア・ノリエガとともに、一時は倒産寸前だったテレヴィサを立て直したことはメディア業界で広く知られている。
ゴメス・マルティネスは国際的なアートフェアの会場で目撃されることもあるが、これまでアート収集については公にしていない。メキシコでは近年、メキシコシティで毎年開催されるアートフェア、ゾナ・マコが活況を呈している。また、エウジェニオ・ロペス・アロンソのムゼオ・ジュメックスやカルロス・スリムのソウマヤ美術館といった私設美術館の開館が相次ぎ、ギャラリーも増加するなど、コレクティングシーンは活発だ。