エイミー&ジョン・グリフィン(Amy and John Griffin)
拠点:アメリカ・ニューヨーク
職業:ベンチャーキャピタル(G9 ベンチャーズ)
収集分野:現代アート
ジョン・グリフィンと妻のエイミーは、金融、ファッション、アートなどさまざまな分野で成功を収めてきた投資業界のパワーカップルだ。ジョンは、2017年に事業精算したヘッジファンド、ブルー・リッジ・キャピタルの創設者として巨万の富を築き、エイミーは新興企業投資会社のG9ベンチャーズを創設。2人はともに現代アートを収集しているが、その成功や名声を物語るのはアートコレクションだけではない。
G9ベンチャーズの支援を受けたアパレル企業、スパンクスのCEOサラ・ブレイクリーはウォール・ストリート・ジャーナル紙にこう語っている。「エイミーは投資家以上の存在で、友人として、応援者として伴走してくれます。起業家にとって、それはお金以上に重要なことなのです」
エイミーはまた、G9ベンチャーズを通じてグウィネス・パルトロウのウェルネス企業グープや、リース・ウィザースプーンの制作会社ハロー・サンシャインなどを支えてきた。こうした女性経営者への支援で話題に上ることの多いエイミーだが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によるとその貢献は資金面だけのことではなく、「人脈作りやメンターシップの提供など、ソフトパワーを存分に駆使している」という。こうした特性はビジネス以外でも発揮され、数多くの財団で理事を務めるエイミーは、2021年にニューヨークのメトロポリタン美術館の理事に任命された。
2008年にグリフィン夫妻は、バージニア大学(UVA)建築学部の「持続可能なデザインを取り入れたランドスケープデザイン」に資金を寄付している。UVAは2人の母校だが、知り合ったのは卒業後で、ニューヨーク・シティ・マラソンのトレーニング中のことだったという。さらに、自分たちの名を冠した財団を通じて、ニューヨークの教育と貧困救済のために熱心な助成活動を続けている。